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1997 年度 実績報告書

ハミルトン系におけるエルゴード特性の微細構造

研究課題

研究課題/領域番号 09640472
研究種目

基盤研究(C)

研究機関早稲田大学

研究代表者

相澤 洋二  早稲田大学, 理工学部, 教授 (70088855)

研究分担者 宮坂 朋宏  関東学院大学, 工学部, 講師 (90257246)
原山 卓久  ATR環境適応通信研究所, 第四研究室, 研究員 (70247229)
キーワードハミルトン力学系 / KAMトーラス / ア-ノルド拡散 / 分岐現象 / ノン・ツイスト写像
研究概要

本研究は、ハミルトン力学系の相空間の微細構造を詳細に決定し、それが輸送現象やクラスター化に与える影響を解明することを目指している。ハミルトン力学系の研究はコルモゴロフ-ア-ノルド-モーザー(KAM)の理論を基礎に、数値計算という有力な手段によって理解が深められてきた。しかし、実際の物理系との対応を考える場合重要となる、ア-ノルド拡散などの相空間が高次元であることによる効果や、KAM条件の破れが系の大域的性質に与える影響の解明は基本的問題でありながら、まだ未解決の問題である。我々は特に相空間が高次元のため詳細な取扱がほとんど成されていない4次元シンプレクティック写像や、ツイスト条件を破るためにKAM理論を適用できないノン・ツイスト写像に注目し、次のような成果を得た。
1.多自由度系におけるKAMトーラス崩壊のメカニズムを、摂動論的手法(コンジュゲイションの構成)によって詳細に調べた。自由度2の系では、KAMトーラスの摂動に対する強さは、回転数の数論的性質のみで決定されると考えられているが、多自由度系では、加える摂動によってより強いKAMトーラスは異なることが、摂動級数に現れる小さな分母(small divisor)に関する考察から明らかとなった。
2.ノン・ツイスト系では、摂動に対して非常に強いKAMトーラスの存在が知られていたが、そのKAMトーラスの相空間における座標を厳密に導出した。また、カオスヘ遷移する臨界パラメータ値を数値的に決定し、リコネクション閾値に沿って摂動を増した場合に限りカオスヘの遷移が余次元1の現象として捉えられることを明らかにした。この性質は、ノン・ツイスト系に普遍的な性質であると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S.Shinohara and Y.Aizawa: "The Breakup Condition of Shearless KAM Curves in the Quadratic Map" Progress of Theoretical Physics. vol.97. 379-385 (1997)

  • [文献書誌] S.Kurosaki and Y.Aizawa: "Breakup Process and Geometrical Structure of High-Dimensional KAM tori" Progress of Theoretical Physics. vol.98. 783-793 (1997)

  • [文献書誌] Y.Aizawa et al: "Chaos and Singularities in Mixmaster Universe Model" Progress of Theoretical Physics. vol.98. 1225-1250 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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