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1999 年度 実績報告書

磁場中における表面原子フォノンの分散関係と吸着分子エネルギー散逸の理論的考察

研究課題

研究課題/領域番号 09640474
研究機関理化学研究所

研究代表者

島村 勲  理化学研究所, 原子物理研究室, 副主任研究員 (30013709)

研究分担者 季村 峯生  山口大学, 工学部, 教授 (00281733)
キーワード表面 / 原子衝突 / 分子・表面衝突 / 表面フォノン励起
研究概要

H_2、O_2分子とNi,Cu,Feなどの表面との衝突による吸着、入射分子と表面とのエネルギー交換過程につきシミュレーション法を用い調べた。粒子の相対運動は古典運動方程式を用い電子状態は量子論的に扱い、運動エネルギーE(0.1eVから10eVまで)、内部状態としての振動回転量子状態v,J、また表面温度もパラメターとして変化させた。本研究から吸着過程、それによるエネルギー移動過程、エネルギー散逸過程が統一的に理解できた。明らかになった興味深い点を以下にまとめる。
1)入射分子が軽い場合(H_2)
E<leVの場合、振動回転基底状態にある入射H_2は、表面と衝突し数回表面上を跳ねた後、表面に捕まる(吸着過程)。かなり高い振動回転状態(v=5-10,J=10-29)の場合、基底状態の場合よりはるかに多数回表面と衝突を繰返し、最終的に吸着する場合もある。またこれとはべつに衝突エネルギーをさらに低くして衝突させると、振動励起のまま表面に吸着(ソフトランディング)する。しかし振動エネルギーはすぐに表面に渡らず、しばらくの間分子内励起のままでいる。これは非常に面白い現象で、衝突後かなり時間がたってからエネルギー散逸過程が起こり、表面フォノン、あるいはバルクフォノンとして励起分子から逃げ出すのが分かった。
2)入射粒子が重い場合(O_2)
E<leVの場合、振動回転基底状態にある入射O_2は表面と衝突し数回表面上を跳ねた後、表面に捕まるが、跳ねる回数はH_2に比べ少ない。また表面との衝突による衝撃で、分子の向きによっては分子解離をおこす分子もある。振動励起分子との衝突でもH_2の場合と同じく、振動励起エネルギーは分子内にとどまり、すぐに固体表面原子に受け渡されることはなく、この場合もやはりエネルギー散逸過程は遅いプロセスであることが分かった。また表面原子種を重い原子に変えることにより、表面第1層に移った振動励起エネルギー(フォノンエネルギー)が第2層以下に移らず、表面原子に局在する現象も見られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Kimura and I.Shimamura: "Vibrational excitation in scattering of CO with Ag surface"Atom.Coll.Research Jpn.. 25. 72-74 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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