研究概要 |
反応性プラズマの研究には電子一多原子分子散乱および重粒子衝突の衝突断面積に関するデータが必要である。そしてこれらの理論的研究では衝突系の電子状態、すなわち、擬分子の電子状態を計算する必要がある。この補助金で購入したワークステーション(IBM RS600/43P-140)上に分子の電子状態を高精度で計算できる“Alchemy"をインストールし電子状態の計算ができるようにした。現在、“Alchemy"を用いて、Ni-H,Cu-He系の電子状態を計算し、イオン・結晶表面衝突の解析を行うため動的結合項を求めるプログラムを作成中である。また、反応性プラズマ種と表面分子の反応の数値シミュレーションを行う準備として、分子動力学法について調査中である。 今年度はCO_2分子による電子および陽電子の散乱についての研究、CH_4,CH_3F,CH_2F_2,CHF_3,CF_4分子による電子散乱に関する系統的な研究の発表を行った。また、陽子・原子衝突に関する理論的研究、衝突素過程の動的メカニズムの解明を行うための可視化の手法に関する研究、ミューオン触媒核融合反応の研究の一貫として(ddu)dee分子内での(ddμ)^+イオンの拡がりが及ぼす効果に関する研究についても発表を行った。現在、“Total cross sections in collisions with electron and positron from CHF_3 molecules:a comparative study with CH_4 and CF_4"が印刷中である。
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