反応性プラズマの研究には、電子-多原子分子衝突、イオン-原子衝突、イオン-結晶表面の衝突における衝突断面積のデータが必要である。しかし、信頼できるデータの蓄積は不十分であり研究に支障をきたしている。 昨年度、我々はイオン・原子衝突の衝突断面積を計算するコードを開発した。これまでに、中または低エネルギー衝突による衝突断面積を計算するコードは開発されているが1、2電子系についての計算がほとんどで、3電子以上が関与する系についての研究はほとんどなされていない。我々のコードでは3電子以上の系も取り扱える。今年度、このコードを用いSi^<4+>+He衝突型についての研究を行い第21回ICPEAC(International Conference on the Physics of Electronic and Atomic Collisions(ICPEAC)で発表した。得られた結果は満足のいくもので、現在論文にまとめている最中である。また、Al^<2+>+Heについても計算を行いICPEACで発表し、さらに軌道効果なども調べ平成12年3月の物理学会で結果を報告する。 電子-多原子分子衝突に関しては、我々が以前開発したContinuum Multiple Scattering法による衝突断面積を計算するコード、その他のコードを用いてC_3H_8、C_3F_8、OCS、N_2Oなどの分子による電子散乱の研究を行い、論文として発表した。
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