研究課題/領域番号 |
09640487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤坂 博一 九州大学, 理学部, 助教授 (40156849)
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研究分担者 |
岩山 隆寛 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (10284598)
山田 知司 九州工業大学, 工学部, 教授 (80037928)
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キーワード | 結合振動子系 / オンオフ間欠性 / 時空カオス / ドリフト波乱流 / Charney-Hasegawa-Mima方程式 / 秩序渦 |
研究概要 |
1.大自由度非線形力学系の数値実験 結合振動子系や化学反応系などの新しい結合写像モデルを提案した。これは、通常用いられる強散逸系とは異なり、結合写像系を構成する素子(局所力学)は一般には2次元写像系になる。強散逸近以に対応した近似では写像系は1次元的となり、空間的な変調構造をもつ新しい型の相互作用が現れる。本研究ではこのような場合について数値実験を行い、素子のタイプによりさまざまな運動が生じることを観測した。緩和型写像では、熱対流系のSwift-Hohenberg(BS)方程式に見られる運動が観測され、緩和過程でのドメインサイズの時間変化はBS系と同じ法則に従うことを見いだした。また、Benjamin-Feierタイプの不安定が生ずる系においては弱い乱流が観測されることを見いだし、その統計量を決定する近似を開発して数値実験の結果とよく一致することを見いだした。 2.乱流の数値実験 強磁場中のイオンの運動を記述するCharney-Hasegawa-Mima(CHM)方程式は特徴的な長さとしてラ-マ-半径が存在するために、2次元Navier-Stokes(NS)方程式を拡張した構造を持つ。このために、CHMが示す乱流はNS乱流とは異なる統計特性を示す。本研究では、十分小さなスケールで注入されたエネルギーが2次元系に特徴的な逆カスケードの為に、大きなスケールの運動が発達していく過程に観測される統計法則を見るために数値実験を行った。これは、実空間では、時間的に大きな渦が形成されていくことに対応する。特徴的な渦サイズがラ-マ-半径より小さい早期過程においては、乱流特性はNS系と同じであるが、後期過程では渦サイズがラ-マ-半径より大きくなりCHM系に特徴的な特性が現れる。本研究では、次元解析により統計法則の解析形を求め、数値実験と比較しよく一致することを見いだした。
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