研究概要 |
本研究は,これまで申請者が二光子の同時計数法によって行なってきたフェムト秒の光のパルス幅測定を,光電流の強さの積によって行なおうとするものである.被測定光が強ければ,この方法によってその光子数の2乗以上の倍率で短時間の測定が可能になることが期待できる.この強度干渉法によって,従来の二光子干渉法が実験室における測定法として完成することになる. 検出電流を数値化して積を計算する方式の強度干渉装置を組み立て,モード同期チタン・サファイアレーザーの基本波のパルス幅を測定した.検出器には2個の高速Siフォトダイオードを用い,モード同期パルス列の10^<-6>秒間の平均値をデジタイズして、計算機に取り込んで,それらの積を計算しながら干渉計を掃引した.2個のダイオードからの出力は,干渉計の二つの光路間の位相差を反映して,強度の反転した信号になることを確認した. これらの積を計算した結果,二光子計数測定による強度干渉と同じことができることが証明された. 研究の第2年度では,広い禁止帯を持つ固体中の不純物あるいは微粒子からの紫外域の短寿命蛍光の測定およびチタン・サファイアレーザー光の2次高調波のパルス幅測定を行いたい.併せて,紫外や軟X線のフェムト秒パルスの直接測定法の開発も考慮したい.
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