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1997 年度 実績報告書

レーザー冷却による気体ヘリウム原子のボ-ズ・アインシュタイン凝縮の実現とその研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640497
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

森田 紀夫  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (30134654)

研究分担者 森脇 喜紀  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90270470)
キーワードレーザートラップ / ボ-ズ・アインシュタイン凝縮 / ペニングイオン化 / 会合イオン化 / ヘリウム / イオン化断面積
研究概要

本研究課題であるヘリウム原子のボ-ス・アインシュタイン凝縮を実現するためには、レーザートラップ中のヘリウム原子の並進運動温度を下げると同時に原子数密度の増加を図らねばならない。ヘリウム原子数密度の増加の最も大きな障害となるのは、トラップ中の励起ヘリウム原子同志の衝突によって引き起こされる衝突イオン化過程である。そこで本年度は、ボ-ス・アインシュタイン凝縮を実現するのに十分な原子数密度を得るための基礎的データを得ることを目的として、レーザートラップ中での超低速衝突イオン化断面積を求める研究をまず行った。測定は生成したイオン数を計測することによって行なったが、その際、飛行時間法によって生成イオンを質量ごとに分離して計測し、イオン種の分析からその生成過程を推定した。その結果、ペニングイオン化過程が主たるイオン化過程であり、会合イオン化過程はその数パーセント程度であること、レーザー励起の存在するときは存在しないときの100倍程度イオン化速度が速いこと、同じ温度下ではヘリウム3原子同士の衝突によるイオン化速度はヘリウム4原子同士の衝突によるイオン化速度よりも1.5倍程度速いこと、などの新しい結果を得た。さらに、レーザー励起の有無によるイオン化速度の違いおよびヘリウム3原子とヘリウム4原子のイオン化速度の違いについては、衝突の際の内部状態の分裂に関する詳しい計算によって、その理由を明らかにすることが出来た。また、さらに、これらのデータに基づき、十分な原子数密度のヘリウム原子をトラップすることが出来るための装置を設計・製作した。来年度はこの新しい装置の実際の性能を確かめるとともに、ボ-ズ・アインッシュタイン凝縮に向けての実験を開始する予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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