研究課題/領域番号 |
09640512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
土井 浩一郎 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (80290873)
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研究分担者 |
青木 茂 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (80281583)
澁谷 和雄 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (80132710)
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キーワード | 干渉合成開口レーダ / 地形標高モデル / JERS-1 / 干渉画像 / 干渉縞 / 地形縞 / 変動縞 |
研究概要 |
日本のリモート・センシング衛星JERS-1およびヨーロッパのリモート・センシング衛星ERS-1に搭載されている合成開口レーダで観測された南極大陸沿岸域の合成開口レーダ画像を用いて、合成開口レーダの干渉画像を作成した。これまでに、おもに、南極・昭和基地の東方約500kmにあるアムンゼン湾周辺において干渉画像が得られている。 地表面に変動のある場所での干渉画像には、地形によって生じる干渉縞(地形縞と呼ばれる)と地表面の変動によって生じる干渉縞(変動縞と呼ばれる)が同時に現れる。アムンゼン湾周辺域で得られた干渉画像にも、地形縞とともに氷床の変位や流動、大陸から海に張り出した棚氷の変形、陸地と海の境界であるグランディングライン部分のひずみ変形などによって生じたと考えられる変動縞が現れている。 本研究では、南極などの人のアクセスの困難な場所の地形標高データをリモートセンシング技術の1つである衛星干渉合成開口レーダにより作成することを目的にしている。このため、干渉画像に現れている氷床の変位や流動などによる変動縞と地形縞を分離する必要がある。現在のところ、変動縞を分離するために必要なデータが得られていないので、氷床上では変動縞を分離することができず、地形標高データは得られていない。しかし、地表面の変動のない露岩域ではかなり明瞭な地形縞が得られており、航空写真をもとに作られた一部の地域の地形図と比較すると非常によく形状が一致することが分かっている。いくつかの点を抜き出して、海岸線から推定した比高を比較してみると、両者の差は、急峻な地形の部分を除き、20以内で一致していた。 今後、詳しい地形図のない露岩域について地形標高モデルを作成するとともに、変更縞と地形縞を分離する方法について考察を進める予定である。
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