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1999 年度 実績報告書

人工衛星合成開口レーダ干渉法による遠隔地形モデルの作成およびその検証

研究課題

研究課題/領域番号 09640512
研究機関国立極地研究所

研究代表者

土井 浩一郎  国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (80290873)

研究分担者 青木 茂  国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助手 (80281583)
澁谷 和雄  国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (80132710)
キーワード干渉SAR / 地形標高データ / JERS-1 / 干渉画像 / 干渉縞 / 地形縞 / 変動縞 / 3パス干渉法
研究概要

同じ場所を観測した3枚のSAR画像から1組(2枚)の干渉画像を作成し,変動が定常的であるという仮定のもとに変動縞を相殺し,地形縞だけを取り出す3パス干渉法をJERS-1のSARデータに適用して,リュツォ・ホルム湾周辺の南極大陸上で地形標高データを得た.一部の地域で航空写真から得られている地形図や氷床上でのGPS観測結果を用いて誤差評価を行なったところ,その誤差の大きさは約15mであり,この地域に限れば,既に存在しているグローバルな地形標高データよりも約10倍精度がよいことがわかった.
しかしながら,JERS-1は波長約23cmのレーダ波を観測に用いており,波長が長いため透過性が強いと考えられている.このため,南極大陸内陸氷床域のように乾燥した雪面では受信されたレーダ波が必ずしも表面での後方散乱波ではなく,雪面内部までレーダ波が入り込み,表面以外の散乱面からの散乱波を捉えている可能性がある.このため,南極大陸内陸氷床域で得られたJERS-1のSARデータに3パス干渉法を適用して得られる地形標高データが表面の地形と一致していない可能性もある.
ヨーロッパ宇宙機構によって運用されている人工衛星ERSに搭載されているSARの波長は約5.3cmであり,JERS-1ほどレーダ波は雪面内部まで入り込まない.ERSで観測されたSARデータに対しても,3パス干渉法を適用し,JERS-1 SARの場合と同様の地形データが得られれば,レーダ波の波長の長短に関係なく表面の標高を測定できていると考えられる.こうした検証を目的として,ERS-1およびERS-2で南極域において取得されたSARデータを用いて,干渉SAR処理を行なった.これまで,リュツォ・ホルム湾奥部から白瀬氷河にかけての部分で干渉画像が得られたが,3パス干渉法に必要なもう一枚の干渉画像は得られていない.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T. Ozawa: "A case study of generating a Digital elevation model for the Soya coast area, Antarctica, using JERS-1 SAR interfrerometry"Pro. of National Institute of Polar Research Symposium on Antarctic Geosciences. 12. 227-239 (1999)

  • [文献書誌] 小澤拓: "干渉合成開口レーダーから得られた東南極Zubchatyy棚氷の海洋潮汐による変形"測地学会誌. 45巻,3号. 165-179 (1999)

  • [文献書誌] 土井浩一郎: "南極・昭和基地で受信されたERS-1/2タンデム・ミッションデータから得られた干渉SAR画像"測地学会誌. 45巻,4号. 351-354 (1999)

  • [文献書誌] 小澤拓: "JERS-1の干渉合成開口レーダーを用いた南極氷床流動・変形の検出"測地学会誌. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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