研究課題/領域番号 |
09640517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90235739)
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研究分担者 |
兒玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
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キーワード | 雪氷コア / アリューシャン低気圧 / 古気候 / 気候変化 / カムチャッカ / ロシア |
研究概要 |
1996年8月にウシュコフスキー氷冠から採取した27m雪氷コアの融解試料、および1997年6月に同地点から採取した雪氷コア試料についてクリーンルーム・低温室を主体に以下の分析を実施した:(a)層位、(b)酸素・水素同位体比、(c)pH、(d)電気伝導度、(e)ECM。その結果、以下の点が判明した: 1.雪氷コアはフィルンから構成されるが、部分的に融解・再凍結による氷板を含む; 2.雪氷コア中には火山灰が挟在し、27mコアの底部にある火山灰は1968年の噴出物である; 3.酸素・水素同位体には明瞭な季節シグナルが残っている; 4.pHは7に近く、アルカリ性を示す; 5.電気伝導度は火山灰と良い対応を示す; 6.ECMも火山灰と良い対応を示す。 雪氷コア解析と並行して行った気候データの解析結果および氷冠の動力学的な考察は、以下のことが雪氷コアから読みとれる可能性を示した: 1.氷冠の年涵養量はカムチャッカ半島沿岸域の冬期降水量と正の相関がある; 2.氷冠の年涵養量に占める割合は、カムチャッカ上空の夏の気温と良い相関がある; 3.ウシュコフスキー氷冠の厚さが180mと仮定すると、最深部の年代は520年である. 以上より、ウシュコフスキー氷冠の全層掘削(1998年6月実施予定)から、少なくとも過去520年間にわたるカムチャッカの夏期気温、冬期降水量(=アリューシャン低気圧活動)の復元が可能となることが判明した。
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