研究課題/領域番号 |
09640519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石山 隆 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助手 (00110289)
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研究分担者 |
新藤 静夫 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (70058014)
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キーワード | 植生指数 / NDVI / 砂漠化 / 人工衛星 / 植生モニタリング / 乾燥地 / タクラマカン沙漠 |
研究概要 |
人工衛星による植生のモニタリングのアルゴリズムとして植生指数がある。現在、衛生データの解析に最もよく使われている植生指数は正規化植生指数(NDVI:Normalized Difference Vegetation Index)であり、この手法を用いて多くの研究者により特定な地域や地球規模の植生分布図が作られている。しかしNDVIは植生の密度の大きな地域には良くフィットするが、乾燥地などの植生の密度の小さな地域では背景の土壌からの放射の影響が強いため、その植生指数の誤差が大きいことが近年分かってきた。このアルゴリズムの欠点を補うものとして、NDVIを改良したものが乾燥地に適したSAVI(Soil Adjusted Vegetation Index)である。しかしこの植生指数は逆にオアシスのような植生の密度の大きな地域には適用できない。つまり植生の密度により植生指数に誤差を生じるということである。そこで本研究では両者の欠点を補間した最適植生指数(OPVI:Optimum Vegetation Index)を開発した。砂漠化の進行度の指標としては一般に知られているのが、植生分布の進退である。そこで本研究では新たに開発したハイブリッド型アルゴリズムOPVIを用いて、中国タクラマカン沙漠周辺の植生分布を人工衛星データによって精度良く調べた。その結果、半乾燥地周辺、例えば、植生密度の高いオアシスとその外側の植生密度の小さな領域が人工衛星データに同時に含まれるような地域に対して、従来の手法では植生指数に誤差が生じていたが、このアルゴリズムを応用することにより、精度の高い植生指数図が得られた。このような植生密度の大小に関わらず、精度の良い植生指数導出のアルゴリズムは未だ開発されておらず、これによって世界のあらゆる地域の、衛星データによる精度の高い植生指数図が得られるものと確信する。またこれによって衛星データによる世界にあらゆる地域の砂漠化を精度良く調査できる。 なお、本アルゴリズムは1998.6打ち上げ予定の、NASAの地球観測衛星EOS-Aに搭載されるASTERセンサーの乾燥地の植生モニタリングの解析プログラムとして採用された。
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