研究概要 |
1,アジアにおける主要な対流圏エアロゾルである黄砂の日本におけるのライダーネットワーク観測を国立環境研究所などと共同でインターネットを使って組織した。この共同観測から,名古屋,東京,つくば,千葉などの多地点での黄砂エアロゾル層のライダー観測に成功した。連続観測及び偏光解消度の測定が黄砂観測に有用であることが示された。また,局域的な風塵現象で砂塵が境界層内に舞ったときの多地点ライダー観測とスカイラジオメーター観測から,ライダーの偏光解消度,スカイラジオメーターから得られる光学的厚さ・波長指数の急激な変化が観測され,大粒子の土壌性粒子に対しての多波長ライダー観測の有効性が示唆された。 2,ライダー観測(0.5ミクロン),スカイラジオメーター,サンフォトメーター,フィルターサンプリングを年間を通じて,定常的に好天日を選び連続して行なった。 2,12ビット・40MS/sのライダー用トランジェントレコーダーと従来用いていた8ビットデジタルオシロスコープ並びにマルチチャンネルスケーラー・アベレ-ジャーとのライダー計測の比較を行なった。その結果,Licel TR40-160は8ビットに比べ,十分高い分解能を持っていることが示され,有効であることが示された。 3,2波長用のビームエクスパンダーと反射ミラーを試験し,使用している。 4,1ミクロン用の光電子倍増管を用意し,またより検出効率の高いシリコン・アバランシュフォトダイオードを発注した。 5,海外技術開発動向調査を通じ,関連の技術及び研究動向の調査を行なった。 6,今年度中に2波長でのライダー観測の運用を図る。
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