研究課題/領域番号 |
09640531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤本 和彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10022617)
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研究分担者 |
森下 伊三男 朝日大学, 経営学部, 助教授 (40148200)
藤井 善次郎 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10022724)
安野 志津子 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (30022586)
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キーワード | 宇宙線 / 太陽磁気雲 / 宇宙線嵐 / 前兆現象 |
研究概要 |
太陽フレア-が発生した後、2〜3日後に宇宙線強度が急激、かつ大きく減少する、すなわちフォーブシュ減少が起きる。このフォーブシュ減少は、太陽フレア-によって作られたIMF(惑星間磁場)ショックを前面に持つ大磁気雲が太陽風によって運ばれ、地球を通過することによって起こると考えられている。 我々は、この磁気雲が地球に到達する2日前から、地上で宇宙線強度をモニターするMuon望遠鏡が、惑星間空間磁場の方向を向いた時、前兆的にシャープな減少をすることを世界に先駆けて見出した。この宇宙線の前兆的減少は、IMFショックで惑星間磁場が強められているために惑星間磁場にそっていろいろなピッチ角で回転運動をしている宇宙線の中で、小さなピッチ角(惑星間磁場に平行)を持つ宇宙線のみがIMFショックを通過出来るために、地球から見ると惑星間磁場の方向(地方時9時)に宇宙線強度減少区域、すなわちLoss cone(穴)が形成されるために起こる事を突き止めた。 宇宙線の前兆的減少の観測はいままでフォーブシュ減少に対して10分の1程度であった。その主たる原因は、上述したようにこの前兆的強度減少は、Loss coneの半径は30°以下のシャープな宇宙線の流れであるので、従来の広角Muon望遠鏡では、現象をなまって見ているために見落としてしまうことが考えられる。そのために、東京大学宇宙線研究所と共同して、乗鞍岳に4.2×4.2m^2の比例計数管を用いたNarrow angle muon望遠鏡を1997年に立ちあげた。現在乗鞍から東京へは衛星電話回線によるデータ取得に成功し、東京から名古屋にデータを転送して、常時データを解析し前兆的強度減少を観測する体制を整えた。この成果は、1997年春及び秋の物理学会で報告し、又1997年に南アフリカで開催された宇宙線国際学会で発表した。
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