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1997 年度 実績報告書

底生有孔虫による過去500万年間の海洋環境変動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09640557
研究種目

基盤研究(C)

研究機関高知大学

研究代表者

安田 尚登  高知大学, 理学部, 助教授 (90175646)

キーワード西赤道大西洋 / 底生有孔虫 / 深層水循環 / 表層生産性 / 北大西洋深層水 / 南極底層水 / 地球環境 / 海洋環境
研究概要

本年度は、ブラジル沖シアラ海膨の5本のコア(ODP Leg154,Site925,927,926,928,929)を使って追加的な研究を進めた。
これまでの底生有孔虫に関する解析にサンプルを追加し,より詳細な同定、時間軸を補正することによってさらに分析精度を上げた。拾い出した底生有孔虫のうち、比較的多く産出する4種について、単位面積・単位時間当たりの個体数(BFAR)を計算した。BFARは、有孔虫の生産活動が量的にどのように変化したかを示すもので、主要種の産出傾向から、過去600万年間の水塊構造の変遷及び表層の生産性変動を復元した。
主な結果は、次のようである。
1,6Maから4Maまでは、水深約3000mに深層水あるいは中層水が沈み込んだ形跡があるものの、現在のように北大西洋で深層水が形成され、海洋深部まで到達していなかった。地球は比較的温暖で、赤道大西洋の表層の生産性も低かったと考えられる。
2,4Maからパナマ海峡が閉鎖することによって地球環境は大きく変わった。まず、北半球が寒冷化することによって、水深約3300mまで深層水の沈み込みが開始され、赤道大西洋の表層の生産性も高まった。
3,3.2Maから氷床の拡大にともなって北大西洋深層水(NADW)が深度約4300mに沈み込んだ。NADWはその勢力を徐々に増し、また1Maに氷期と間氷期の格差が広がったこともあり、現在では深度4000mから2500mを覆っている。
4,1.2Maから南方起源の南極底層水(AABW)も深度4300mに沈み込みを開始し、また炭酸塩の溶解面の上限もこのころから上昇しはじめ、現在の深層水循環が確立したと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 安田尚登・村山雅史: "Leg154:西赤道大西洋域における海洋古環境変遷の解明" 月刊 地球/号外. No.19. 61-68 (1997)

  • [文献書誌] Hisato Yasuda: "Lete Miocene-Holocene Paleoceanography of the Western Equatorial Atlantic:Evidence from deep-sea benthic foram neters" Proceedings of the Ocean Drilling Program S.R.154. 395-431 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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