• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

高密度非晶質相の高圧合成とその物性

研究課題

研究課題/領域番号 09640569
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

大高 理  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40213748)

キーワードガラス / 高圧合成 / 高密度非晶質 / 二酸化ゲルマニウム / EXAFS / 融解
研究概要

1.キュービック型700トン超高圧発生装置の立ち上げを行った。GeO2の高圧下での融解実験では高温領域でGeO2の還元を抑えるための高圧セルの開発が重要である。試行錯誤の結果、LaCrO3の筒型ヒーターを導入することで3GPa、1900℃でGeO2を還元されることなく融解することに成功した。実験圧力領域をさらに広げ、融解曲線を決定することが今後の課題である。
2.LiO2-GeO2系ガラスを結晶化が起こらない室温から400℃の温度範囲で最高30GPaまで加圧し高密度非晶質相の合成を試みた。得られた試料の密度測定とEXAFS測定により非晶質相の局所構造を解析した。その結果、Li2O-GeO2系ガラスでは30GPaで加圧しても回収試料は10%程度の密度上昇しか得られないことがわかった。この値は圧力誘起非晶質相が40%の密度増を示すのに対し小さい。EXAFSの解析により第一近接のGe-O間距離は約1.77Aでこれはほとんど全てのGeに対してOが4配位していることを示す。今回実験を行った圧力条件下では配位数が4から6に変化しているはずだから減圧過程で配位数が可逆的に4に戻ったと考えられる。高圧下で局所構造の変化が起こった際にその構造が減圧しても非可逆的に保たれるか否かは、配位数変化により生じたGeO6八面体が形成するルチル構造的なドメインのサイズによると考えられる。圧力誘起非晶質相のTEM観察では直径10数Aのルチル構造を示すドメインが観察されている。一方、Li20-GeO2系ガラスでは添加されたLiイオンによりGeO6八面体のネットワークが分断されるため、ルチル構造ドメインサイズが圧力誘起非晶質相のそれに比べ小さく、減圧過程で可逆的に配位数が4に戻ったと考えられる。現時点では高圧処理後の回収試料についてEXAFSを測定したが、次年度では高圧下でのその場観察を予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Matsumoto et al.: "Pressure induced phase transitions of CdI_2-type PbI_2" Proceedings AIRAPT 97. 1 (in press). (1998)

  • [文献書誌] O.Ohtaka et al.: "In situ observation of 2rO_2 phaseses at high pressure and temperature" High pressure research in mineral physics edited by M.H.Manghnani and T.Yagi. (in press). (1998)

  • [文献書誌] T.Nagai et al.: "Kinetic Studies of the α-quartz-coecite transformation of SiO2" Mineral J.19. 147-154 (1997)

  • [文献書誌] T.Irifune et al.: "The postspinel phase boundary in Mg_2SiO_4 determined by in-situ x-ray diffraction" Science. 279. 1698-1700 (1998)

  • [文献書誌] O.Ohtaka et al.: "Phase equilibria for the Fe_2SiO_4-Fe_3O_4 system under high pressure" Phys.Chem.Minerals. 24. 555-560 (1997)

  • [文献書誌] T.Nagai et al.: "Pressure-induced structural modifications of Germanates under high pressure at room temperature detected by high P-EAXFS" High Pressure research in Mineral Physics edited by M.H.Manghnani and T.Yagi. (in press). (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi