1. キュービック型700トン超高圧発生装置を用いて高温高圧下での反応(特に融解反応)を検出するため高圧示唆熱分析システムを開発した。Ca(OH)2ポートランダイトを試料にその融解曲線を6GPaまで決定することができた。GeO2の融解実験では温度領域が高いため未だ精度の高い融解温度の決定には至っていない。 2. Li2O-GeO2系ガラスを最高30GPaまで加圧し高密度非晶質相の合成を試み、得られた試料の密度測定とEXAFS測定により非晶質相の局所構造を解析した。その結果、Li2O-GeO2系ガラスでは30GPaで加圧しても回収試料は10%程度の密度上昇しか得られないことがわかった。EXAFSの解析により第一近接のGe-O間距離は約1.77Aでこれはほとんど全てのGeに対してOが4配位していることを示す。今回実験を行った圧力条件下では配位数が4から6に変化しているはずだから減圧過程で配位数が可逆的に4に戻ったと考えられる。 3. Li2O-GeO2系ガラスの高圧下でのEXAFSその場観察のための予備実験を行い、Ge単体のEXAFS解析から試料にかかる圧力を見積もることが可能なことを明らかにした。高圧容器にGeとLi2O-GeO2系ガラスを挿入することで高圧でのEXAFS測定が可能となった。10GPa程度の高圧下でのLi2O-GeO2系ガラスを用いた実験はSPring-8での高圧EXAFS測定システムの立ち上げが遅れており、1999年7月に実施予定である。
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