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1997 年度 実績報告書

現世および化石の炭素および炭酸塩中のホウ素同位体の地球化学的挙動

研究課題

研究課題/領域番号 09640580
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

野村 雅夫  東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (60100997)

キーワードホウ素 / ホウ素同位体 / 同位体比 / 炭酸塩 / 珊瑚 / 化石
研究概要

試料としてまず南西諸島各地で採取された珊瑚を選び、その試料分解およびホウ素の回収率を検討した。その結果陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂のみを用いる方法でホウ素を改修すると100%の回収率を得ることができなかった。そこで試料を塩酸で分解し、次にホウ酸メチル蒸留した後、陽イオン交換樹脂でホウ素を単離することによって、ほぼ100%の回収率を得た。ホウ素の定量にはICP発光分光分析計を用いた。ホウ素の同位体比(^<11>B/^<10>B)は、表面電離型のCH5質量分析計を用いて測定した。また、珊瑚の化学形は炭酸カルシウムであるが、その結晶形は粉末X線回折の結果からアラゴナイトとカルサイトの両方であった。しかし、5試料中1つはアラゴナイトのみで構成されていた。その5試料中のホウ素濃度は20〜50ppmの範囲にあり、通常の海成炭酸カルシウムのホウ素濃度を示している。ホウ素同位体比の測定結果、5試料の内アラゴナイトとカルサイトの両方をもっている珊瑚では、4.13〜4.14であった。しかし、アラゴナイトのみの試料では若干低めの4.11であった。いずれにせよ海水中のホウ素同位体比は、4.20であるからいずれもこの値より低い値を示している。ここで海水と炭酸カルシウムとの同位体分別係数を考慮すると、炭酸カルシウム中のホウ素同位体比は4.12〜4.14となる。先の4試料はこの範囲内で一致しているが、1つの試料はこの範囲を少しはずれている。この理由として珊瑚の種類によってホウ素を取り込む過程における若干の違いがあることが考えられる。現在、石炭、貝類中のホウ素同位体比を測定中であり、さらに試料の数を増やし考察を進めていく予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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