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1997 年度 実績報告書

多核遷移金属クラスター化合物のCO/H配位子のダイナミクスと固体NMR

研究課題

研究課題/領域番号 09640606
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

江口 太郎  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50107083)

研究分担者 宮久保 圭祐  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70263340)
キーワード多核遷移金属クラスター / カルボニル / ヒドリド / ダイナミクス / 固体NMR / スピン-格子緩和時間
研究概要

H_4Ru_4(CO)_<12>ではHは4本のRu-Ruにedge bridging配位している。溶液中では、COどうしのexchangeと共にHのmigrationが起こる。本研究ではH_4Ru_4{P(OCH_3)_3}_x(CO)_<12-x>(X=0,1,2)を合成し、固体試料について^1H MAS/CRAMPS NMR,^<13>C CP/MAS NMRスペクトルおよび^1Hスピン-格子緩和時間T_1の温度変化を測定し、固体中における配位水素原子の運動モードとその速度や活性化エネルギー(E_a)を決定した。
^1H MAS NMRでは、H_4Ru_4(CO)_<12>,H_4Ru_4{P(OCH_3)_3}(CO)_<11>の場合、室温付近から温度上昇に伴ってスペクトルがシャープになっていく。H_4Ru_4{P(OCH_3)_3}_2(CO)_<10>の場合室温付近ではスペクトルにあまり変化はみられないが、340K付近からシャープになる。x=0,1で観測される室温付近のnarrowingは、staticスペクトルおよび^1H T_1の温度変化の結果と併せ、2-site flipによるmotional narrowingと帰属できる(E_a=16.0kJ mol^<-1>)。
従来、Aimeらのグループにより、H_4Ru_4(CO)_<12>のH原子は、H_4Ru_4クラスター全体の回転、あるいは、Ru_4クラスター上での協調運動などを行っているとされてきた。本研究で、CO基を嵩高いP(OCH_3)_3基に置換することで、H原子はRu-Ru edgeまわりに2-site jumpを行っているのを明らかにした。
昨年7月5日から20日まで約2週間江口が外国出張し、英国Exeter大学において開催された第13回国際NMR分光学会で成果を発表した.さらに,"H-migration in H_4Ru_4(CO)_<12-x>L_x(x=0,1;L=P(OMe)_3)from Solid State NMR Studies,"としてPolyhedron誌に投稿中である.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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