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1998 年度 実績報告書

多核遷移金属クラスター化合物のCO/H配位子のダイナミクスと固体NMR

研究課題

研究課題/領域番号 09640606
研究機関大阪大学

研究代表者

江口 太郎  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50107083)

研究分担者 宮久保 圭祐  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70263340)
キーワード遷移金属クラスター / カルボニル / ヒドリド / ダイナミクス / 固体NMR / 結晶構造
研究概要

(NMe_4)_<4-x>[H_2Ni_<12>(CO)_<21>]・S(x=1,S=Me_2(CO);x=2,S=1/2THF)に関してNMRとX-線構造解析を行った.その結果,溶液中のクラスターの構造と異なりNi_<12>-H_2化合物の結晶中ではNi_<12>クラスター中央のNi_6平面に対して6個のカルボニルが上下に交互にずれるように配位していることがわかった.一方,Ni_<12>-H化合物の結晶試料の場合,中性子回折によると(Ph_4P)^+塩ではヒドリドは二つの八面体サイトの一方に片寄っている.さらに,(NMe_4)^+塩のX-線構造解析によると結晶中では21個のCO基はすべて非等価であることがわかった.カルボニル領域の^<13>CCP/MASスペクトルはNi_<12>-H_2化合物よりさらに複雑になり,10本のピークが観測された.溶液のNMRとX-線構造解析の結果を照らし合わせると,ヒドリドが二つの八面体サイトの一方に片寄っているために,溶液中でTi,To,Boに帰属されるピークがそれぞれ2本に分裂し,Biに帰属されるCO基が4本のピークを示すことが明らかになった.結晶中の陰イオンクラスターのpackimgによりクラスターの構造がわずかに歪み,それが^<13>CCP/MASスペクトルに敏感に反映されることが示された.溶液中ではヒドリドが二つの八面体サイト間を交換するけれども,結晶中ではこの交換がほとんど起こっていないことがわかった.
さらに,前年度に行ったH_4Ru_4(CO)_<12>,H_4Ru_4{P(OCH_3)_3}(CO)_<11>についての研究も含めて,これまでの多核遷移金属クラスター化合物のCO/H配位子のグイナミクスと固体NMRに関して総合報告(Comparative Solid State and Solution NMR Structural and Dynamic Studieson Tetra-and Higher-nuclearity Transition Metal Carbonyl Clusters)を投稿中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] J.V. Barkley et al.: "Solid State Studies (X-ray and 'H, ^<13>C NMR) on (NMe_4)_<4-x> [H_2Ni_<12>(CO)_<21>]・S (X=1,S=Me_2CO; X=2, S=1/2THF" J. Organometal. Chem.573. 254-260 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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