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1997 年度 実績報告書

超分子内電子移動反応における分子内再配列

研究課題

研究課題/領域番号 09640608
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

吉村 彰雄  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00029737)

キーワード超分子 / 電子移動 / 再配列エネルギー / 分子内再配列 / 固相反応 / レーザー光化学
研究概要

溶媒の再配列効果をうけず、または位置のはっきりする結晶中での電子移動過程を解析することで、その内部再配列エネルギーを検討することを目的としている。固相(微結晶)での電子移動過程の過渡吸収を測定する方法を開発した。赤外線吸収測定に用いるKBr錠剤法と同様であるが、レーザー励起による試料の損傷を避けるためKBrに代えてより熱伝導度のよいKClを用いて、直径1cm厚さ1mmの透明な錠剤を作成した。過渡吸収の測定だけでなく、発光の測定においても減衰のみならず強度も精度よく比較できるよい方法である。Ru^<2+>とCo^<3+>を架橋配位で繋いだ複核錯体を、錠剤に分散された系について研究を進めている。複核錯体の一つでRu^<2+->MLCT励起状態からの電子移動速度定数が室温溶液中で1.2×10^9s^<-1>の場合は、室温結晶中では励起状態の減衰は1.5×10^8s^<-1>と一桁遅くなった。結晶中での過渡吸収の測定では励起レーザー光強度を高めて励起状態量を高める必要があるが、励起状態密度が高いときには励起状態間の二分子反応(T-T反応)も起きる。そのT-T反応の過程の解析も行い、電子移動生成物であるRu^<3+>及びRu^<1+>を確認した。
ナノ秒領域の過渡吸収及び発光測定システムを、ここで新規に購入した超高速デジタルオシロスコープ(500MHz)を利用してコンピュータによるオンライン解析を行っている。これまでより測定精度が向上し、僅かな変化の解析が可能となった。新規に購入した高速コンピュータを利用して、一次反応と二次反応が並行する場合等の解析を行っている。
これまではっきりしていなかった、より短い時間領域(フェムト秒時間領域)の電子移動過程の測定もとりかかっている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 吉村彰雄: "Inner-sphere Reorganization of Photoinduced Electron Transfers on the Laser-excitation of Ligand-bridged Ru (II) -Rh (III) and Ru (II) - Co (III) Compounds." Coord.Chem.Rev.159巻. 375-383 (1997)

  • [文献書誌] Ashraful Islam: "Nonradiative Processes of Excited CT States of Ru (II) -and Pt (II) -Compounds and Excited d-d States of Rh (III) -Compounds in Solid and at High Temperatures." Coord.Chem.Rev.(印刷中).

  • [文献書誌] Ashraful Islam: "Nonradiative Transition of Phosphorescent Charge Transfer States of Ru (II) -to-2,2'-biquinoline and Ru (II) -to-2,2' : 6,2"-terpyridine in the Solid State." Inorg.Chem.(印刷中).

  • [文献書誌] 吉村彰雄: "結晶中の電子移動反応-錠剤法による過渡吸収測定-" 生産と技術. 49巻4号. 50-52 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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