• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

有機結晶の低温における相転移に伴う構造変化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640609
研究機関岡山大学

研究代表者

柏野 節夫  岡山大学, 理学部, 教授 (70032810)

研究分担者 久保園 芳博  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80221935)
石田 祐之  岡山大学, 理学部, 助教授 (70193331)
キーワード有機結晶 / 相転移 / 構造変化 / 低温X線回折 / 水素結合 / 分子間相互作用
研究概要

1 前年度のこはく酸水素アンモニウムの二次の相転移温度以下の低温での結晶構造の研究に引き続き,トランスーグルタコン酸の酸性カリウム塩一水和物(1),ナトリウム塩(2)及びアンモニウム塩(3)の短いO-H...O水素結合の様式を調べた。(1)では結晶学的対称中心をもつ非常に短い水素結合が形成されるのに対して,(2)と(3)では比較的長い非対称な水素結合が形成されることを見出した。(1)では265K付近で二次の相転移が観測されたので,295及び40KでX線回折により結晶構造を詳しく調べた。水分子の関与する水素結合の長さは40Kでは295Kにおけるよりも有意に短くなるのに対して,短い水素結合の長さには両温度で有意な差異が認められなかった。差の電子密度図から,この短い水素結合は両温度で単一極小ポテンシャルをもつことが見出された。
2 前年度タルトロン酸水素アンモニウムにおいて非対称な短いO-H...O水素結合が見出されたのに引き続き,240,150及び20Kでこの化合物の結晶構造を詳しく調べた。温度の低下による水素結合の長さの減少は認められず,差の電子密度図からこの水素結合に関与する水素原子は常に特定の酸素原子と共有結合していることが明らかになった。
3 水素結合を利用した結晶設計の一つの指針となる次のような実験結果を得た。2ーピリドンはジカルボン酸と水素結合性の分子間化合物を作り,その分子種組成及び水素結合様式はジカルボン酸が対称中心をもつか否かに支配されることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] J. Taka and S. Kashino: "Sodium hydrogen trans-glutaconate and ammonium hydrogen trans-glutaconate"Acta Crystallogr.. C55・10. 1620-1623 (1999)

  • [文献書誌] S. Kashino, J. Taka and H. Ishida: "Structures and short hydrogen bonds of acid salts of glutaconic acid"Acta Crystallogr.. A55・Supplement. 403-403 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi