研究課題/領域番号 |
09640611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
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研究分担者 |
佐藤 文俊 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00235392)
岡本 正宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40211122)
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キーワード | タンパク質 / 密度汎関数法 / オブジェクト指向プログラミング / ROKS法 / シトクロムc_3 / オブジェクト指向による並列化 / 大次元行列対角化の並列化 / 大次元逆行列計算の並列化 |
研究概要 |
本研究者らはタンパク質全体の電子状態を量子論的な方法に基づいて計算する手法を構築し、タンパク質の性質や反応性を電子レベルで理解することを目的に、大型分子や金属錯体の電子状態計算に有効な密度汎関数法に基づく分子軌道法プログラムを作成している。本目的を達成するためには金属タンパク質のような巨大で複雑な電子状態をいかに効率的に計算させるかが最大の焦点となる。本年度は密度汎関数法プログラムの高速化と精密化に主力を注いだ。主な成果を以下に示す。 1.本密度汎関数法プログラムの律速部分である分子積分、行列積、対角化さらに逆行列の各計算過程を並列化した。オブジェクト指向を用いることによって、各計算過程の汎用性を保ちつつ、高速化、省メモリ化を実現した。数台のワークステーションによるテストの結果、90%以上の並列化効率が得られ、メモリ量は台数分の1に減少した。来年度この並列版プログラムを並列計算機システムで使用することによって、100残基程度のタンパク質の全電子計算が可能となる。 2.次元の大きさ、ペプチド結合に関する周期性などから軌道に線形従属性が顕著に現れる。これらは計算に悪影響を及ぼすため、この線形従属性を取り除く機能を追加した。 3.金属タンパク質の電子状態計算に必要な制限付き開殻軌道密度汎関数法(ROKS)を新たに開発した。反応中心である金属錯体の多重項状態を的碓に取り扱うために、Vosko-Wilk-Nusair(VWN)ポテンシャルにおけるROKS法を定式化し、これを本プログラムに取り込んだ。また本計算方法をシトクロムc_3活性中心のイオン化状態計算に適用した。 4.経路積分を用いた電子トンネリング過程計算法を精密化した。計算精度を超多重積分数の1次依存から2次依存に上げることに成功し、これによって電子移動速度を小数点以下3桁まで求めることが可能となった。
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