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1998 年度 実績報告書

多重認識能をもつ擬シクロファンの合成とアロステリック認識制御

研究課題

研究課題/領域番号 09640622
研究機関筑波大学

研究代表者

鍋島 達弥  筑波大学, 化学系, 助教授 (80198374)

キーワードアロステリック効果 / 分子認識 / シクロファン / フラビン / c-AMP / ビピリジン
研究概要

初年度に合成したホストである、2,2'-ビピリジンを二つ持ち、二個のビスフェノールA骨格と一個のアンモニウム部を持つ化合物の類縁体をいくつか合成した。具体的には、アンモニウム部位の導入位置を変えたホストや、触媒作用を期待してアンモニウム部の代わりに、チアゾリウム基を導入したホストである。また、外部因子としてこれまで用いていた銅イオン以外の金属、つまり銀イオンや、亜鉛イオンによる擬シクロファンの合成につても検討した。初年度と同様に、フラビンモノヌクレオチドのナトリウム塩(FMN)に対する捕捉力を調べるために、溶媒抽出実験を行ったところ、ホストのアンモニウム基の導入位置によって親和力が変化することがわかった。これらのホストについて、c-AMPについても、同様な溶媒抽出によって認識力を評価したところ、Cu(I)の添加によって抽出力が増大することが明らかとなり、ここでもアロステリックな現象が観察された。FMNの時と同様にこの場合も、Cu(I)に対して強い親和力を持つバソクプ口インを添加すると、擬シクロファン構造が壊れて元のホストに戻り、その結果、ゲストが水相に再び吐き出されることが明らかとなった。
これらのアンモニウム型ホストはAg^+と1:1の同様な錯体を形成し、バソクプ口インによって定量的な構造の変換ができることが明らかになったが、Zn(II)とはホスト:Zn(II)が1:2の錯体が生じ、安定な擬シクロファンが形成しないことがわかった。
チアゾリウム基を持つホストもCu(I)との錯形成により定量的に擬シクロファンができることがわかり、今後、この触媒作用についても検討を行う予定である。
以上のように、本研究の手法が、複雑なゲスト分子に対するアロステリックホストの構築に有用であることを明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tatsuya Nabeshima: "On-and-off Control of Allosteric Affinity toward Flavin Mononucleatide by the Use of a Pseudecyclophane Formed with Cu(I) as an Effecter" J.Org.Chem.63. 2788-2789 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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