• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

C(5)-C(5)結合ジヒドロピリミジン二量体の酸化還元開裂機構

研究課題

研究課題/領域番号 09640632
研究機関京都大学

研究代表者

西本 清一  京都大学, 工学研究科, 教授 (10115909)

研究分担者 周 玲  京都大学, 工学研究科, 助手 (50293890)
キーワードチミン誘導体 / 放射線還元二量化 / C(5)-C(5)結合二量体 / メソ型異性体 / ラセミ型異性体 / レーザーフォトリシス / 光誘起電子移動 / C(5)-C(5)結合開裂
研究概要

チミン誘導体[チミン(1a);1-メチルチミン(1b);1,3-ジメチルチミン(1c);チミジン(1d)]の一電子還元反応を経て生成するメソ型およびラセミ型C(5)-C(5)結合ジヒドロピリミジン二量体(2a-d)について、下記の実験を実施し、所定の成果を得た。
(1) 1-メチルチミン1bのC(5)-C(5)結合ジヒドロ二量体2bの立体異性体のうち、メソ体は370nm付近に極大をもつ蛍光スペクトルを与えたが、ラセミ体はほとんど発光しなかった。また、1,3-ジメチルチミン1cのC(5)-C(5)結合ジヒドロ二量体2cは、メソ体およびラセミ体いずれもほとんど発光しなかった。吸収スペクトル特性と併せて、2cのメソ体は基底状態および励起状態のいずれにおいても分子内水素結合により相互作用していると推測された。
(2) 定常光照射条件下における、フラビンやフラビンアデニンジヌクレオチドを用いたC(5)-C(5)結合ジヒドロピリミジン二量体2a-dの光増感酸化還元を経るC(5)-C(5)結合開裂反応の反応生成物分布を調べ、二量体構造との相関を明らかにした。
(3) 過硫酸イオン(S@@S22@@E2O@@S28@@E2@@S12-@@E1)のレーザーフォトリシス(励起波長266nm)で発生するSO@@S24@@E2@@S1-@@E1による1-メチルチミン1bのC(5)-C(5)結合ジヒドロ二量体2bの一電子酸化分解を調べ、メソ体とラセミ体のいずれからも1-メチルチミン-5-イルラジカルに帰属される400nmに極大をもつ過渡吸収スペクトルを観測した。この5-イルラジカルの減衰は二分子反応速度式に従い、その速度定数はメソ体が2.7x10@@S19@@E1M@@S1-1@@E1s@@S1-1@@E1およびラセミ体が2.2x10@@S19@@E1M@@S1-1@@E1s@@S1-1@@E1であった。
(4) 光還元剤としてN,N-ジメチルアニリンを用いたC(5)-C(5)結合ジヒドロピリミジン二量体2b-d水溶液のレーザーフォトリシスを試みたが、定常光照射下の光還元生成物から予想される5-イルラジカルの過渡吸収スペクトルは検出できなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 西本清一: "Stereoisomeric C5-C5'-Linked Dihydrothymine Dimers Produced by Radiolytic One-Electron Reduction of Thymine Derivatives in Anoxic Aqueous Solution:Structural Characteristics in Reference to Cyclobutane Photodimers" Journal of Organic Chemistry. 64. 受理 (1999)

  • [文献書誌] 周 玲: "Synthesis and DNA Cleavage Study of a 10-Membered Ring Enediyne Formed via Allylic Rearrangement" Journal of Organic Chemistry. 64・3. 682-683 (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi