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1997 年度 実績報告書

典型元素オニウム塩の反応における超原子価相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 09640634
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

奥山 格  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (40029484)

キーワード典型元素 / オニウム塩 / ヨードニウム塩 / 超原子価化合物 / ヨーダン / ビニルSN2反応 / スルホニウム塩 / スルフラン
研究概要

1-デセニル(フェニル)ヨードニウム塩とハロゲン化物イオンの反応においては,完全に立体反転した置換生成物とβ脱離生成物が生じる.紫外吸収スペクトルと反応速度を解析することにより,この反応が主として平衡的に生成した超原子価中間体,λ^3-ハロヨーダンから進むことがわかった.置換反応の速度はハロゲン化物イオン濃度とともに増大し飽和曲線を描くのに対し,脱離速度は減衰曲線になる.この速度論の結果は,ヨーダン中間体から置換反応がビニルSN2反応としてハロゲン化物イオンと二分子的に起こり,脱離反応は分子内β脱離として進行しているものとして,生成物の立体化学とともに合理化される.一方,2-ハロ-1-デセニルヨードニウム塩は,反応速度は遅いが,完全に立体保持の求核置換生成物を与える.副生成物として,少量の1-ヨード-1-デセンとハロベンゼンが生成する.この反応速度は,ハロゲン化物イオン濃度とともに減少する.これらの特異的な現象は,ハロヨーダン中間体における分子内反応,リガンドカップリング機構で合理的に説明できる.ハロヨーダンの立体配座によって,結合切断の位置が異なる副生成物が生じるものと理解できる.
1-アダマンチル(フェニル)メチルスルホニウム塩はアルコール溶媒中でSN1加溶媒分解を受ける.この反応は添加したハロゲン化物イオンの影響を受けないが,非プロトン性溶媒(たとえばアセトニトリル)中でのハロゲン化物イオンとの反応の速度は飽和曲線を描く.このことからスルホニウムイオンの反応においても超原子価中間体が反応に影響を与えているものと結論された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 奥山格: "Ligand Coupling Mechanism of Nucleophilic Vinylic Substitution of Iodonium Salts with Hypervalent 10-I-3 and 12-I-4 Intermediate" Chemistry Letters. 955-956 (1997)

  • [文献書誌] 奥山格: "Vinylic SN2 Reaction of 1-Decenyliodonium Salt with Halide Ions" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 71,1. 243-257 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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