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1997 年度 実績報告書

新規なドナーおよびアクセプター分子に基づく特異な有機電導体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09640655
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

山下 敬郎  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90116872)

研究分担者 田中 彰治  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
キーワード有機導電体 / 有機半導体 / ドナー / アクセプター / 電解酸化 / 酸化電位 / X線結晶構造解析
研究概要

新規なドナーおよびアクセプター分子を設計、合成し、これらを成分とする導電体へ導いた。例えば、新規ドナーとして非平面のバタフライ構造のビス(1、3-ジチオール)ドナー類を開発した。これらの分子は1段階2電子酸化を行い、小さなオンサイトクーロン反発エネルギーを示す系である。これらの電界酸化により溶媒分子を含むドナー:アクセプター:溶媒分子=2:1:1の組成の塩を得た。テトラヒドロフラン、1、3-ジオキソランおよび2、3-ジヒドロフランを含むPH_6塩の単結晶構造解析を行い、結晶構造は同型であるが、含まれる溶媒分子に依存して物性が金属的から半導体的へと大きく変わることを明らかにした。この理由として溶媒分子の秩序化を提唱した。結晶構造の制御の手段としてヘテロ原子の分子間相互作用を利用することを考え、2つのチアジアゾール環を有するビオローゲン類縁体を合成した。これらの分子のカチオンラジカル塩を電解法により作成し、X線結晶構造解析によりS…N相互作用により分子テープが生成していることを明らかにした。アクセプター分子としてチエノピラジン骨格を有するTCNQ類縁体を開発した。これらの分子の中にはヘテロ原子接触でヘリカル構造などの特異な構造を示すものがあった。また、錯体もヘテロ原子間相互作用で従来見られない結晶構造を示すものが生成した。さらに、単一分子導体を目指してHOMO-LUMOギャップの小さな分子の開発を行った。非古典的チアジアゾール環が低いLUMOエネルギーを持つことを利用して、新規なドナー-アクセプター分子を合成した。ドナー部トアクセプター部の構造を変えることでギャップエネルギーを制御できることを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Akira Ohta: "Preparation,properties,and Oxidation of Novel Bis(1,3-dithiole)Compounds Containing a Di(2-thienyl)methane Unit" Heterocycles. 44・1. 263-276 (1997)

  • [文献書誌] Chitoshi Kitamura: "Synthesis and Reaction of 3,3'-Dibromodihydrodipyrrins" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. -・10. 1443-1447 (1997)

  • [文献書誌] Shoji Tanaka: "A Nobel Candidate for Intrinsically Conductive Organic Polymers Based on Nonclassical Thiophene" Synth.Metals. 84・1-3. 229-230 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiro Yamashita: "Novel Organic Metals Based on Nonplanar Bis(1,3-dithiole)Donors" Synth.Metals. 84・1-3. 1795-1796 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiro Yamashita: "Synthesis and Properties of Benzobis(thiadiazole)s with Nonclassical π-Electron Ring Systems" Tetrahedron. 53・29. 10169-10178 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiro Yamashita: "Synthesis and Characterization on New Electron Donors Containing 1,2,5-Thiadiazole and 1,1-Dihydro-4,4-bipyridine Units" Chem.Commun.-・19. 1851-1852 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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