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1998 年度 実績報告書

新規なドナーおよびアクセプター分子に基づく特異な有機電導体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09640655
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

山下 敬郎  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90116872)

研究分担者 田中 彰治  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
キーワード有機導電体 / 電子ドナー / 電子アクセプター / 電解酸化 / カチオンラジカル / 酸化電位 / X線結晶構造解析
研究概要

新規なドナーとしてTTFビニローグ類を合成した。TTFビニローグ類は拡張π電子系のため、TTFと比較してドナー性は向上し、分子内クーロン反発は減少する。また、ビニール位に種々の置換基を導入でき、置換基による構造や物性の制御が可能である。一般にTTFビニローグ骨格は、ビニール位の置換基と1、3-ジチオール環の立体障害で非平面になると考えられるが、π共役平面に対してねじれることができるアリール基を置換基として導入すればTTFビニローグ骨格を平面にできると考えられる。その場合に置換基の立体反発により、通常のπ-スッタキングが妨げられ、特異な結晶構造をとることが予想される。合成は1、4-ジチアフルベンの酸化的カップリング反応によった。フェニル基のオルト位に置換基を導入した場合に段階的な酸化還元波が観測され、カチオンラジカルが非局在化して安定化されていることが分った実際に、段階的酸化が起きる分子のいくつかから電解酸化によりカチオンラジカル塩の単結晶を得ることが出来た。カチオンラジカル塩ではTTFビニローグ骨格は平面構造を取り、フェニル基部分はこの平面に対してほぼ垂直に傾いている。こうした分子構造のために1つのドナー分子が別の2つの分子にまたがって積層した二次元カラム構造が実現できた。さらに、この構造はアニオンの種類や置換基を変えることで変形することを見つけた。一方、アクセプターとしてはへテロ原子を含むテトラシアノジフェノキノジメタン誘導体を開発することに成功し、これらを成分とする導電体を作成した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Mikio Uruichi: "Charge-Transfer Salts of M(mnt)_2(M=Ni,Pd,Pt,Au)with BDNT" J.Maten.Chem.8・1. 141-146 (1998)

  • [文献書誌] Katsuhiko Ono: "Terphenyl and Poly(p-phenylene)Derivatives Containing Fused 1,2,5-Thiadiazole Units" Chem.Lett. 6. 545-548 (1998)

  • [文献書誌] Kazuharu Suzuki: "New Electron Acceptors Containing Thieno[3,4-6]pyrazine Units" J.Mater.Chem.8・5. 1117-1119 (1998)

  • [文献書誌] Yoshiro Yamashita: "Synthesis and Properties of Novel Tetrathiaful valene Vinylogues" Chem.Commun.16. 1657-1658 (1998)

  • [文献書誌] Yoshiro Yamashita: "Highly Polarized Electron Donors,Acceptors,and Donor-Acceptor Compounds" J.Mater,Chem.8・9. 1933-1944 (1998)

  • [文献書誌] Takanori Fukushima: "First Stable Tetracyanod:phenoquinodime thane with a Completely Planar Geometry." Tetrahednon Letters. 40・6. 1175-1178 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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