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1997 年度 実績報告書

炭化ケイ素における3C→6Hへの相転移メカニズムと相転移に影響を及ぼす因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09640663
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

徐 元善  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30242829)

研究分担者 鈴木 豊  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60023214)
桑原 勝美  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40023262)
河本 邦仁  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30133094)
キーワード炭化ケイ素 / 相転移 / 積層欠陥 / メカニズム / 粒成長 / 炭素還元法
研究概要

1.既存相転移メカニズムの検討
炭化ケイ素の相転移メカニズムとして提案された多くのメカニズムはZnSまたはGaAs,Siなどの材料で適用された相転移メカニズムであるため、それを強いて共有結合を持つ炭化ケイ素にそのまま適用するには様々な問題が生じる。一例として炭化ケイ素と類似な結晶構造を持つZnSでは相転移と共に形状の変化が起こるため、ZnSの相転移メカニズムとして周期的なすべりメカニズムが提唱されている。それが炭化ケイ素の相転移の一つ説として実験的な証拠が不足な状態でそのまま受け入れている。しかし、本年度の研究結果によると粒成長または形状の変化は炭化ケイ素の相転移と直接関係がないことを明らかにしているので、既存の相転移メカニズムと本質とはだいぶ違うことが分かった。新しい相転移メカニズムの創成が要求されている。
2.相転移に影響を及ぼす因子の解明
炭化ケイ素に内在する積層欠陥密度と粉末の形状の違いが相転移に及ぼす影響を調べるため、SiO_2と炭素を出発原料として炭素還元法により不純物が同濃度でしかもそれらの因子を任意的に調節したβ-SiC粉末を合成した。積層欠陥密度が高い試料からは3Cから4Hを経由して6Hに相転移が起こった反面、積層欠陥密度が低い試料の方は3Cから6Hに相転移が直接起こった。積層欠陥は3Cから4Hへの相転移の核として働いたと考えられる。ウイスカーと球状の出発粉末の形状が違う試料では、相転移挙動の違いは生じなかった。昇温途中に相転移が起こる以前の温度で粒成長が起こったことが原因であると考え、炭化ケイ素では粒成長と相転移は直接関係していないことを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] W.S.Seo, K.Koumoto, S.Arai: "Effects of B,C,and Fe Content on the Stacking Fault Formation during Synthesis of β-SiC Particles in the System SiO_2-C-H_2" in press (J.Am.Ceram.Soc.)

  • [文献書誌] W.S.Seo, K.Koumoto: "Factors Affecting Stacking Fault Formation during Carbothermel Reduction" The 9th International Conference on High Temperature Material Chemistry IX. 487-494 (1997)

  • [文献書誌] W.S.Seo, K.Koumoto: "Stacking Fault and Growth Direction of β-SiC Whisker Synthesized by Carbothermal Reduction" International Symposium on Novel Synthesis and Processing of Ceramics. Kurvme Japan (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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