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1998 年度 実績報告書

金属錯体における二次不斉転換に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640669
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

喜多 雅一  鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20177827)

キーワード一次不斉転換 / 二次不斉転換 / コバルト(III)錯体 / 不斉反転の速度論 / 活性化エネルギー / 溶解度 / 光学活性 / N-(S-プロリン)ジチオカルバマト
研究概要

トリス(N,N-ジメチルジチオカルバマト)コバルト(III)錯体とトリス{N-(S-プロリン)ジチオカルバマト}コバルト(III)錯体は、吸収スペクトルは全く同じで、CoS_6構造を示唆し、プロリンのカルボキシル基は配位結合に関与していない。トリス{N-(S-プロリン)ジチオカルバマト}コバルト(III)錯体は、水溶液で速やかなコバルト周りの反転を示すとともに、溶媒により平衡位置も大きく制御できることがわかった。純粋なΔ体,Λ体をそれぞれ単離する方法が完全には確立できていないが、陰イオン交換樹脂に吸着させることにより、異性対比を凍結することができ、食塩水で溶離するとき、樹脂中を展開している間は、不斉の反転が起こらないことから光学純度を決定することが可能となった。また、高温で二次不斉転換により、バリウム塩で、Λ体ができ、その他の塩でΔ体ができることは判明している。平衡状態において、わずかにΛが優性と思われる。一方、Δのカリウム塩のメタノール溶液では、変化が非常に遅く、^1H NMRの温度変化からは、193Kにおいてほぼ純粋なΔ体になっていると推定できる。
トリス(R-システイナ卜-N,S)コバルト(III)酸イオンについての平成9年度の研究成果を発表した論文に関しても今年度の研究から陰イオン交換樹脂に吸着させ、異性対比を凍結することができることもわかった。またこの系では、コバルト周りの不斉のΔ【double arrow】Λ反転は,1.0MLi_2(R-cys)水溶液中では,反転速度が大幅に鈍る。一方,0.1MLi_2(S-cys)水溶液中では,極めて反転速度が速く,ちょうどfac-[Co(S-cys)_3]^<3->系の平衡状態になる。即ち,Δ【double arrow】Λ反転と共存システイン配位子の置換反応が,競争していることがわかった。
以上のように不斉転換に関して多くの知見とともに今後の発展すべき研究課題をえることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Kita: "The Effect of Counter Cations on Second-Order Asymmetric Transformations in fac-△-and ∧-Tris (R-cysteinato-N,S) cobaltate (III) Complexes and The Kinetics of Mutarotation" J.Chem,Soc.Datton Trans.(1999年2月18日受理).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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