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1998 年度 実績報告書

複合配位子金属錯体とDNAとの特異的な結合と反応

研究課題

研究課題/領域番号 09640674
研究機関中央大学

研究代表者

千喜良 誠  中央大学, 理工学部, 教授 (70006328)

キーワードアクリジン / ポルフィリン / トリアミン銅錯体 / 複合配位子 / DNA / DNAファイバー / ESR
研究概要

本年度も引き続き1.ビオロゲンと水溶性ポルフィリンおよび,2.アクリジンとポリアミンの複合配位子を合成し,これらの銅錯体とDNAとの結合構造や反応を検討した。
1. ビオローゲン側鎖が4つ結合しているポルフィリン錯体はポルフィリン環の一部がDNAの塩基対間にインターカレートし,側鎖のビオローゲンが何本かのDNAを架橋する構造をとることをすでに明らかにしが,さらにビオローゲン側鎖が1つ結合しているポルフィリン錯体を合成した。この錯体は,水溶液中,塩化物イオン存在下で安定に存在できず,DNA上では壊れたポルフィリン環由来の化合物とCu(II)イオンが錯形成し,錯体平面がDNAの塩基対面に平行になるように配向して結合していることを示した。また,どちらの錯体も,DNAファイバー上で非常に安定なラジカルが生成することがわかった。これらの結果の一部は1998年日本化学会春季年会において発表した。
2. トリアミン錯体,(1)diethylenetriamine,(2)dipropylenetriamine,(3)l,4,7-triazacyciononane,(4)l,5,9-triazacyclododecane]のDNA-ファイバーESRの温度変化を詳細に測定したところ,錯体(1),(2),(3)では,室温付近で激しく運動していた成分が温度の低下に伴いDNA上で平面正方型(g//>g┻)の構造に固定されていく過程が観察され,錯体(4)は水溶液中では平面正方型の構造を形成しているがDNAと結合すると三方両錐型(g┻>g//)の構造に変化し,低温でもその構造が維持されることがわかった。diethyienetriamineやethylenediamineにアクリジンを導入した錆体について同様な測定を行った結果,Cu(II)配位部位の運動性には顕著な変化は見られなかったことから,銅配位構造が室温付近ではげしく動的に揺らいでいることが明らかになった。この結果は1998年錯体化学討論会において発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Mikata,et al: "Intercolator-linked cisplatn:synthesis and anititamor----" Inorg.Chim.Acta. 279・1. 51-57 (1998)

  • [文献書誌] Y.Mikata,et al: "Synthesis,eharacterization,Intercalation with DNA----" J.Inorg.Biochem.67・1・4. 156-156 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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