研究概要 |
(1)syn-[Pt_2(μ-dpmp)_2(XylNC)_2]^<2+>(dpmp=(ph_2PCH_2)_2PPh,Xyl=2,6-Me_2C_6H_3)と[AuCl(PPh_3)],AgPF_6あるいはCuX(X=Cl,Br,I)などのll族金属化合物との反応により[Pt_2M(μ-dpmp)_2(XylNC)_2]^<3+>(M=Au,Ag)(1)あるいは[Pt_2CuX(μ-dpmp)_2(XylNC)_2]^<2+>(2)がえられた。それらの構造はX線構造解析により決定された。(1)においてはPt_2Mは2つのdpmp配位子により架橋された骨格を持ち、Pt-Pt結合は存在するが、Pt・・・AuおよびPt・・・Ag距離はそれぞれ3.045,3.118Åで、その相互作用は弱い。(2)においては骨格は(1)と同様であるが、Cuに結合しているハロゲンイオンは末端のPtと相互作用していることがわかった、これらの錯体の相互作用を調べるためにEHMO法による分子軌道計算もおこなった。 (2)anti-[Pt_2(μ-dpmp)_2(XylNC)]^<2+>錯体はsyn-[Pt_2(μ-dpmp)_2(XylNC)_2]^<2+>を熱反応や光反応により容易に得られるが、異性体であるsyn-[Pt_2(μ-dpmp)_2(XylNC)]^<2+>錯体はこれらの反応の副産物として少量得られた。syn-錯体を選択的に得ることができる合成法を見つけた。syn-[Pt_2(μ-dpmp)_2(XylNC)_2]^<2+>をXylNCの1分子をトラップすることのできる錯体、例えば[Cp^*RhCl_2]_2や[(arene)RuCl_2]_2で処理することにより効率よく得た。
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