研究概要 |
[Pt_2(RNC)_6](PF_6)_2(R=2,6-xylyl(Xyl),2,4,6-mesityl(Mes))と2等量のBis((diphenylphosphino)methyl)phenylphosphine(dpmp)との反応によりsyn-[Pt_2(μ-dpmp)_2(RNC)_2](PF_6)_2(1)とanti-[Pt_2(-dpmp)_2(RNC)_2](PF_6)_2(2)が得られた。syn-form(1)はdpmpの中心のP原子が同じ金属にまた、anti-form(2)では異なった金属に配位している構造をもつ。錯体をアセトニトリル中で加熱すると1つのイソシアニド配位子が脱離しそれぞれに相当する錯体syn-[Pt_2(μ-dpmp)_2(RNC)](PF_6)_2(3),anti-[Pt_2(μ-dpmp)_2(RNC)](PF_6)_2(4)が得られた。 syn-錯体(1)と[M_3(XylNC)_6]との反応は直線上の[Pt_2M(μ-dpmp)_2(RNC)_2](PF_6)_2(M=Pt(5),Pd(6))が得られた。侵入基であるMは3核錯体の末端に導入され、Mから2核白金コアへ1つの電子がトランスファーされることによりd^9-d^<10>-d^9電子配置の錯体となる。anti-錯体(2)を[M_3(XylNC)_6]で処理するとA-frame錯体[Pt_2M(μ-dpmp)_2(RNC)_2](PF_6)_2(M=Pt(7),Pd(8))が得られた。3つの金属原子は2つの金属一金属結合(Pt-M,約2.60Å)により結ばれ、2つのdpmp配位子により非対称に架橋されている。侵入基であるML_2はpt-pt結合に挿入し、3核錯体の中央にトラップされた。これらの錯体はすべてX-線結晶解析により同定された。またこれらの錯体についての分子軌道法的考察もおこなった。 KA
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