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1999 年度 実績報告書

核的手法によるポリシラン量子材料の半導体物性

研究課題

研究課題/領域番号 09640688
研究機関京都大学

研究代表者

松山 奉史  京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50027463)

研究分担者 高橋 俊晴  京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00273532)
キーワードポリシラン / 主鎖切断 / γ線照射効果 / ポリメチルフェニルシラン / ポリジーnーヘキシルシラン
研究概要

本年度はポリメチルフェニルシラン(1)とポリジーn-ヘキシルシラン(2)をWurtz重合法により合成し、固相試料をγ線照射したときの数平均分子量(Mn)の減少をGPC曲線から求めることにより、γ線による主鎖切断がポリシランの構造とどのような関係にあるかを資料の環境雰囲気を変えながら調べた.
1.Mnのγ線照射量依存性は固相の1および2を窒素雰囲気中で照射した場合と真空中で照射した場合とでは同じであった.1はγ線による主鎖切断はあるがMnの減少は小さくかなり安定であり、一方2はγ線照射に対してMnが大きく減少し非常に不安定であった.
2.1が2よりγ線に対して安定であるのは1が側鎖にフェニル基を含む構造をもつためであり、このフェニル基がγ線に対する保護効果の役割を果たしていることは明らかである.π共役構造をもつ置換基が放射線に対して保護効果を示すことは炭素系高分子では既に報告されているが、本研究でこの効果がポリシランに対しても成立する一般的な現象であることが確認できた.
3.γ線照射線量に対して(Mn)^<-1>をプロットすると直線関係が得られ、γ線照射前後の分子量分析はポアソン分布であることが分かった.このことからγ線照射によるポリシランの主鎖切断の機構はランダム機構であることが明らかとなった.
4.試料の環境雰囲気を自然空気にすると、空気中に含まれる酸素の影響でγ線照射による主鎖切断が両試料で促進された.また、(Mn)^<-1>のプロットは線量に対して再び直線関係を示したので、酸素の存在は主鎖のランダム切断の機構を変えることなく、単に主鎖切断を促進する役割を果たしていることが判明した.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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