研究課題/領域番号 |
09640688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松山 奉史 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50027463)
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研究分担者 |
高橋 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00273532)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | ポリシラン / ポリメチルフェニルシラン / ポリジ-n-ヘキシルシラン / 分岐ポリシラン / NaCI除去と高純度化 / γ線照射効果 / ヨウ素ドーピング / 電気伝導度 |
研究概要 |
1.不純物に敏感な半導体物性の測定には高純度ポリシランの調整が必要であり、合成時の副産物NaClを純水洗浄で除去することを試みた。中性放射化分析による定量では、Naは最初の3回洗浄で大部分除去された。Clの方は副産物NaClの一成分として残るよりも合成されたポリマーの末端基として残る量のほうが圧倒的に多く、純水洗浄でこの分は除去できないことが判明した。これを逆に利用すると末端基定量による数平均分子量(Mn)を見積もることができるが、ポリメチルフェニルシラン(1)では5.4X10^4と求まった。 2.Β 2.γ線によるポリシランの主鎖切断について1とポリジー-n-ヘキシルシラン(2)の固相試料を用いて調べた。γ線に対し1はかなり安定であるが2は非常に不安定であり、(Mn)^<-1>のプロットより主鎖切断はランダム機構で進行することが明らかとなった。1が2より対放射線性である理由は、1が側鎖にフェニル基を含むためこのフェニル基がγ線に対する保護効果の役割を果たすからである。また、主鎖切断に窒素は何の影響も及ぼさないが、酸素はランダム機構を保持したまま主鎖切断を促進することが明らかとなった。 3.ポリシランではσの共役の次元性が高くなると電気伝導度は増大すると考えられるので1(一次元)とフェニルシリン(三次元)の成分比m:nが1:0(1)、0.68:0.32(3)、0.44:0.56(4)、0.29:0.71(5)、0:1(6)である分岐コポリマー(分岐度n)を合成し、これらの薄膜にヨウ素をドープした場合の電気伝導度と光吸収スベクトルを調べた。ヨウ素ドープにより6はまったく安全であったが、1、3、4、5に含まれる一次元部分では分解(膜厚減少)と架橋が起こり、最終膜成分は網目状ポリマーに変化した。最高到達伝導度はどれもほぼ10^<-5>S/cmとなったが、その原因は網目状ポリマーの構造が6(分岐度100%)の構造と類似しているためであると考えられる。
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