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1998 年度 実績報告書

秩序-無秩序型と変異型の中間的性質を示す構造相転移に対するランダムネスの効果

研究課題

研究課題/領域番号 09640689
研究機関大阪大学

研究代表者

斎藤 一弥  大阪大学, 理学研究科, 助教授 (30195979)

キーワード構造相転移 / 不純物効果 / ポリフェニル / ACカロリメトリー
研究概要

1. 本研究では構造相転移に対するランダムネスの効果を熱力学的に明らかにするために不純物を混入した試料の高精度熱容量測定を計画した.測定対象として選択したジフルオロターフェニル(DFTP)は市販されておらず,極微量の試料について実験を行う必要があるので,従来の断熱法に代わる別の方法としてAC法による熱量計を改良した.種々の試料を用いて性能評価を行った.
2. 溶融した溶液を液体窒素を使って急冷固化させて相分離のない試料を作成し,AC法による実験を行った.数パーセント程度の範囲における不純物濃度の増加に伴い,相転移温度の連続的減少と熱異常の抑制が観測された.同様の方法で作成したDFTP試料を基準にすると,相転移温度の濃度依存性.は秩序一無秩序型のターフェニルの場合に類似していたが,熱異常の抑制の強さの依存性はむしろ変位型のビフェニルに類似していた.エントロピーを単位としたDFTPにおける熱異常の抑制はビフェニルの数倍に達するが,このことをもって中間的性質の相転移において質的に異なる効果が現れていると考えることはできない.むしろDFTPの相転移が,当初期待したとおり変位型と秩序一無秩序型の中間的性質を持つことを裏付けていると考えるべきであると考えられる.構造相転移に対する不純物効果を統一的理解に向けて,構造相転移の統一模型に立脚した理論的検討の展開が望まれる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y. Yamamura: "Disapperance of a Displacive Phase Transition in Crystalline Biphenyl by a, Small Amount of Impurity" J. Phys. Soc. Jpn.67・5. 1649-1654 (1998)

  • [文献書誌] K. Saito: "Distortion of Local Order Parameter Caused by Impurities in Displasive Phase Transition" J. Phys. Soc. Jpn.67・9. 3137-3140 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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