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1997 年度 実績報告書

一次元鎖状構造を有する新規光触媒および発光材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09640696
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京理科大学

研究代表者

工藤 昭彦  東京理科大学, 理学部, 講師 (60221222)

キーワード光触媒 / 発光 / タンタル酸化物 / インジウム酸化物 / ガリウム酸化物 / ビスマス酸化物 / 水の光分解 / 可視光応答性
研究概要

構造規則性を有する新規光触媒材料を探索したところ,タンタル系複合酸化物(K_3Ta_3Si_2O_<13>)が,助触媒の担持無しに,それのみで純水から水素と酸素を2:1で生成できる光触媒であることを初めて見出した。また,この化合物は紫外光励起により発光を示した。この化合物は,TaO_6が一次元状につながった柱状酸化物と見なすことができる。さらに,ゼオライトに見られるような三次元的な細孔構造が拡がっている。このように,本研究で見い出されたK_3Ta_3Si_2O_<13>は今までにない新しいタイプの光触媒および発光材料である。一方,Ga_2O_3とIn_2O_3の固溶体酸化物の光触媒活性を測定したところ,犠牲試薬存在下で水から水素も酸素も生成できることがわかった。さらに,光物性および光電気化学測定により,固溶体のバンドギャップや伝導帯の位置が,Ga_2O_3とIn_2O_3の間で自由に変化できることを明らかにしてきた。すなわち,酸化物光触媒において,組成を自由に変化させることができる固溶体を用いることにより,バンド構造(ここではバンドギャップと伝導帯レベル)を連続的に変化させることができ,それにより発光特性,光電気化学特性,光触媒活性が変化することを明らかにしてきた。さらに,新規可視光応答性光触媒材料を探索した結果,ビスマス系複合酸化物が硝酸銀水溶液からの酸素生成反応に活性を示すことを初めて見出した。いままでに可視照射下で効率よく水溶液から酸素を効率よく生成できる触媒としてはWO_3のみであった。WO_3のバンドギャップは2.8eVであるのに対して,このビスマス系複合酸化物のそれは2.3eVであることから,可視光をより有効に利用できるところに特徴がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Kudo: "Photocatalytic Decomposition of Water into H_2 and O_2 over Novel Photocatalyst K_3Ta_3Si_2O_<13> with Pillared Structure Consisting of Three TaO_6 Chains" Chem.Lett.867-868 (1997)

  • [文献書誌] A.Kudo: "Photoluminescenet Properties of Ion-Exchangeable Layered Oxides" Microporous Mesoporous Mater.(印刷中).

  • [文献書誌] A.Kudo: "Photocatalytic Reduction of N_2O on Metal-supported TiO_2 Powder at Room Temperature in the Presence of H_2O and CH_3OH Vapor" Catal.Lett.(印刷中).

  • [文献書誌] 工藤: "プローブとしての希土類元素-発光特性から探るセラミックスのエネルギー構造-" セラミックス. 32[8]. 635-639 (1997)

  • [文献書誌] 工藤: "一次元性状構造を有するK_3Ta_3Si_2O_<13>による水の完全光分解反応" 触媒. 37[6]. 390-393 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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