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1997 年度 実績報告書

高配位遷移金属錯体の新しい機能による有機合成反応

研究課題

研究課題/領域番号 09640706
研究種目

基盤研究(C)

研究機関筑波大学

研究代表者

北條 信  筑波大学, 化学系, 講師 (50229150)

研究分担者 細見 彰  筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
キーワードマンガン / アリル / プロパルギル / チオメチルアニオン / アート錯体 / メタル化 / カルボニルイリド / [3+2]環化付加
研究概要

(1)マンガンアート錯体によるアリル、プロパルギルおよびチオメチルアニオン種の生成を目指し研究を行った。アリルブロミドに対して"Bu_3MnLi"を反応してもアリルマンガン種は十分には生成しない。これに対して"Bu_4MnLi_2"は効率よくアリルブロミドを還元し、続けて親電子剤を加えることにより対応するアリル化生成物を収率良く与えることを見つけた。この反応は"Bu_4MnLi_2"としての初めての特徴的な反応性と考えられる。同様にプロバルギルブロミドからも対応する活性種が生成する。また、ヨードメチルスルフィドと"Bu_3MnLi"との反応により、チオメチルマンガン種が生成することも見つけた。興味深いことに、このチオメチルマンガン種はルイス酸との共存が可能であることが明かとなった。また、銅(I)塩へのトランスメタル化も起こす事も見つけた。これらの生成した活性種は種々の親電子剤と反応する。
(2)穏和な還元力を有するマンガン反応剤を用いた非安定化カルボニルイリドの生成を検討したところ、ビス(クロロメチル)エーテルから無置換カルボニルイリドが効率良く生成することを見つけた。生成した母体のカルボニルイリドはカルボニル化合物等の電子欠損型の親双極子剤に対しても効率よく反応し、高収率で環化付加生成物を与えた。さらに興味深いことに、サマリウム-反応系で生成したカルボニルイリドはイリドが過剰に生成すればアルキンに対して2重付加するのに対して、マンガン-反応系で生成するイリドは2重付加を起こさない。現在のところこの反応性の違いはイリドの金属イオンへの配位によるものと考えているが(カルボニルイリドはアリルアニオンと等電子構造を有する)、今後更なる検討を要する。またこの反応系においても任意の置換基を有する非安定化カルボニルイリドが生成することがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Hojo, H.Harada, H.Ito, A.Hosomi: "Manganese Ate Complexes as New Reducing Agents : Perfectly Regiocontrolled Generation and Reactions of the Manganese Enolates with Electrophiles" J.Am.Chem.Soc.119・(23). 5459-5460 (1997)

  • [文献書誌] M.Hojo, H.Harada, H.Ito, A.Hosomi: "A New Type of Allyl-and Prop-2-ynyl-manganese Species : Generation and Reactions with Electrophiles" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(21). 2077-2078 (1997)

  • [文献書誌] M.Hojo, H.Aihara, Y.Suginohara, K.Sakata, S.-y.Nakamura, C.Murakami, A.Hosomi: "A New and Mild System for the Generation of Nonstabilized Carbonyl Ylides : Synthetically Practical Use in Reactions with Electron-Deficient Dipolarophiles" J.Org.Chem.62・(25). 8610-8611 (1997)

  • [文献書誌] M.Hojo, C.Murakami, K.Ohno, J.Kuboyama, S.-y.Nakamura, H.Ito, A.Hosomi: "Di-functionalization of Alkenes Using an Oxidant Generated from Manganese (II) Chloride under Oxygen : Synthesis of γ-lactones" Heterocycles. 47・(1). 97-100 (1998)

  • [文献書誌] M.Hojo, C.Murakami, A.Hosomi: "Allenylmethylsilane Derivatives as Synthetic Equivalents of 1,2,3-Butatriene : Synthesis and Reactions of Di-e.xo-methylenecyclobutanes and-cyclobutenes" Chem.Lett.39・(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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