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1997 年度 実績報告書

組織化単分子層のナノ物性とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 09640711
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

嶋津 克明  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (30109417)

キーワード酸解離定数 / 水晶振動子マイクロバランス / 表面質量滴定法 / セルフアセンブリ単分子層 / メルカプトアルキルカルボン酸 / ポリビニルピリジン
研究概要

本研究の目的は、特定の物質と選択的に会合する表面を分子修飾により構築する際に重要な修飾層物性の正確な評価とその制御法の確立を行うことである。本年度はおもに水晶振動子マイクロバランス(QCM)を用いた表面質量滴定法により単分子層やポリマー薄膜の酸塩基物性の評価を行った。
種々の鎖長のメルカプトアルキルカルボン酸(HS(CH2)nCOOH:Cnカルボン酸と表記)単分子層をAu(111)/QCM電極上にセルフアセンブリ法で構築した。解離したカルボキシル基と溶液中のカチオンの会合に基づく表面質量の増加が観測された。質量-pH曲線から求めたpKaはC2-C15カルボン酸に対し5.9-6.5で鎖長とともにやや大きくなる傾向があった。いずれもバルクの値より大きく、特にC2カルボン酸では吸着によりチオール基の誘起効果が減じるためpKaのシフトは顕著であった。全質量変化とチオール基の還元脱離量から求めた吸着量との対比から、カチオンは水和して会合していると結論した。種々鎖長のアルカンチオールとの混合単分子層についても検討し、いずれの鎖長のカルボン酸の場合でも解離種間の反発の相互作用があること、またその大きさは数kJ/molであることがわかった。ポリヒドロキシフェニル酢酸薄膜でもCnカルボン酸単分子層のときと同様な質量-pH曲線が得られ、pKaは7.1であった。ポリビニルピリジン薄膜ではpHの増加とともに、脱プロトネーションと共存していたアニオンの脱離がおこるため質量は減少した。pKaは4.8であり、質量変化は膜厚に比例した。すべての試料について、本年度購入したネットワークアナライザにより水晶振動子のインピーダンス解析を行い滴定中の周波数変化が質量のみに依存していることを確認した。また、関連研究として修飾電極への金属錯体や酸素分子の吸着過程をQCMで追跡した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Yao: "Clay-Modified Electrodes as Studied by QCM:Adsorption of Ruthenium Complexes." J.Electroanal.Chem.(in Press). (1998)

  • [文献書誌] K.Hoshiba: "Dioxygenation of a Molybdenum(IV)Porphyrin Complex as Studied by an In Situ Quartz Crystal Microbalance/UV-vis Spectroscopy Combined Method." Chem.Letters. 1997・9. 853-854 (1997)

  • [文献書誌] 嶋津克明: "固液界面におけるナノ質量測定-より正確な解釈を行うためのアプローチとともに" 表面科学. 18. 649-655 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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