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1997 年度 実績報告書

磁場勾配NMRおよびESRによる超分子中の物質の移動とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09640717
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京水産大学

研究代表者

渡部 徳子  東京水産大学, 水産学部, 教授 (40092382)

研究分担者 松川 真吾  東京水産大学, 水産学部, 助手 (30293096)
キーワード水 / 糖鎖 / ゾル-ゲル転移 / 磁場勾配NMR / スピンプローブESR / 飽和移動EPR / 拡散計測 / NMR緩和
研究概要

1)ジェランガムゲルの陽イオンによるゲル化挙動
1価及び2価の陽イオンによるゲル形成過程を1H-NMRと円偏光二色性(CD)により検討した。金属イオン濃度が低い場合には、金属イオンを添加しない場合と同様に90℃からの冷却によりランダムコイルからヘリックスへの転移が生じるが、再加熱により可逆的に元に戻るのに対して、金属イオン濃度が高い場合にはこの転移は非可逆的であった。この原因としてヘリックス間の会合ばかりでなく、コイル間の会合も関与していることが結論された。陽イオンの価数によるゲル化に要する最低濃度の違いおよびゲル化機構の違いが解明された。
2)デキストランの特異的陽イオン取り込みとゲル構造、水和構造との関連
デキストラン-Kイオン間の特異的な構造形成を39K-NMRで確認し、化学シフトと緩和速度の解析から化学反応論的考察を加えた。特異的な取り込みの原因はデキストランの共有電子対により形成されるポケットのサイズとカチオンサイズの適合性およびカチオンの水和特性によることを水分子の拡散係数から検証した。
3)プルランの水和特異性
プルランはどんな水分含量においてもゲル化しないことが知られている。その原因は水和特性にあるのではないかと考え、水プロトンの緩和過程を解析しグルコース1ユニット当たりの水和数とその運動性を明らかにした。高濃度になるにつれ水和水(プルランと強く相互作用しており、自由水との交換が遅い水分子)の運動性は減少する。グルコース1環当たりの水和数の数は温度、濃度によらず一定であった。プルランの水酸基と水分子間の水素結合はきわめて強いと推測される。
4)ジェラン水溶液中のスピンプローブの回転拡散
ジェランがランダクコイルからヘリックスに変わる過程はスピンプローブの回転拡散の相関時間に反映された。金属イオン共存下の系について実験を継続中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tokuko WATANABE: "Diffusion of Water in Polysaccharide Gels" Magnetic Resonance Spectroscopy in Food Science:Proceedings of the International Workshop on Applications of Magnetic Resonance and other Spectroscopic Techniques to Food Science.73-80 (1997)

  • [文献書誌] Tokuko WATANABE: "Diffusion of Water and Polymer Chains in Polysaccharide Sol and Gel States Studied by PFGNMR,NMR Imaging and EPR." Proceedings of the ISOPOW7:Water Management in the Design and Distribution of Quality Foods. (1998)

  • [文献書誌] Tokuko WATANABE: "NMR Imaging" G.A.Webb, (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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