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1997 年度 実績報告書

薄層電解界面ラマン分光法の確立による有機電極反応過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09640724
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

森下 富士夫  京都大学, 工学研究科, 助教授 (30026281)

研究分担者 岡崎 敏  京都大学, 工学研究科, 教授 (40025383)
キーワード界面ラマン分光法 / 共鳴ラマンスペクトル / 薄層電解セル / 空間分解測定 / 有機電極反応過程 / 電解生成アニオンラジカル / キノン類還元体
研究概要

本年度はまず、薄層電解界面ラマン分光セルを設計、製作し、現有するラマン分光装置を用いてアセトニル中でクロラニルなどのキノン類の定量的電解により生成するアニオンラジカルの共鳴ラマンスペクトルの測定・解析に適用した。マグネシウムカチオン共存下で、クロラニルの電解還元反応過程で生成するクロラニルアニオンラジカルの振動スペクトルの解析により、クロラニルアニオンラジカルがマグネシウムカチオンとイオン対を生成する過程を解析し、均一溶液中でのイオン対生成過程と比較検討した。すなわち、これまでの電解ストップトフロー法による均一溶液内反応の解析結果では、クロラニルアニオンラジカルはマグネシウムカチオンと2:1のイオン対を生成することを明らかにしてきたが、本研究において、電極界面では一旦生成したイオン対が電極でさらに還元を受けて、クロラニルダイアニオンのイオン対を生成するという均一溶液中とは異なったイオン対生成過程を経由することを明らかにした。
また、本研究補助金により冷却型高感度CCDカメラ検出器を導入して、極微弱散乱光の測定による感度ラマン分光測定システムの構築についての詳細な基礎検討を行った。さらに、空間分解能の向上を図るために、短焦点レンズでアルゴンレーザー光を集光した後、長焦点レンズを用いてレーザー光を薄層電解セルに照射する集光系を構築して種々基礎検討を行った。
本法が電極界面における電解生成種の振動構造の解析による複雑な電極反応過程の解明に有効な測定・解析法であることを確認したので、次年度は、空間分解能測定が可能な高感度ラマン分光測定システムを確立するとともに、イオン対の電極溶液界面及び近傍溶液層での生成状態について、特に空間分解測定による詳細な測定・解析を進展させる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 森下富士夫、岡崎 敏 他: "Fluorometric Flow Injection Determination of Magnesium Using 8-Hydroxyquinoline-5-sulfonic acid" J.Flow Inject.Anal.14・1. 39-45 (1997)

  • [文献書誌] 森下富士夫 他: "Retention Behavior of Synthetic Corticosteroids in Packed-Column Supercritical Fluid Chromatography" J.Chromatogr.773. 277-284 (1997)

  • [文献書誌] 森下富士夫 他: "Chiral Resolution of Four Optical Isomers of Diltiazem Hydrochloride on Chiralcel Columns by Packed-Column Supercritical Fluid Chromatography" J.Chromatogr.785. 185-193 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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