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1999 年度 実績報告書

食物連鎖と住み込み連鎖をつなぐ相互作用網の構築とその定式化

研究課題

研究課題/領域番号 09640756
研究機関奈良大学

研究代表者

岩崎 敬二  奈良大学, 教養部, 助教授 (60278877)

キーワード食物連鎖 / 住み込み連鎖 / 共生 / 捕食〜被食関係 / 相互作用網 / 二枚貝床 / 潮間帯
研究概要

1.和歌山県白浜町の京都大学瀬戸臨海実験所付近の岩礁で、二枚貝床群集と海藻マット群集内の主要構成種を四季にわたって採集し、その消化管内容物を分析した。この調査項目は過去2年間にも行っているが、3年間の群集組成と各種の個体群動態を把握するために、今年度も実施した。本年度は1996年に着底したヒバリガイモドキの二枚貝床が、個体群の寿命のために大量に剥がれ始めて二枚貝床の被度が大幅に減少し、二枚貝床群集にも大きな変化が生じた。床内に蓄積された砂泥が、二枚貝床の被度の減少によって大幅に減少し、砂泥の多い場所を好む多毛類の密度が大きく落ち込み、砂泥に潜掘できない等脚類や笠貝などの巻貝類が増加した。二枚貝床の密度や被度の変化が、二枚貝床群集の組成や各構成種の密度にも大きな変化を与えていることが、予想された。
2.実験室内で、二枚貝床の中に住み込んでいる各種動物の摂食行動をビデオ撮影した。過去2年間で、既に主要な捕食者2種やデトリタス食者・藻類食者2-3種の摂食行動と捕食行動を調査したが、今年度は、二枚貝の表面を生息場所とするコガモガイなどの笠貝類の摂食行動と捕食者回避行動を調査した。
3.二枚貝床群集の地理的な変異を調べ、和歌山県白浜町での定期的な調査結果と比較するために、石垣島名蔵湾のヒバリガイモドキの二枚貝床とその群集を調査した。二枚貝床の中の二枚貝の被度は、和歌山県白浜町などと比べて非常に低く、「すかすか」の二枚貝床であることがわかった。そして、二枚貝床群集の種組成も大きく異なっており、デトリタス食者が殆どおらず、小型巻貝類が優占する群集であることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K.Iwasaki: "Short-and Long-term movement of the putellid limpets Patella flexuosa within intertidal mussel zones"Journal of Molluscan Studies. 65. 295-301 (1999)

  • [文献書誌] K.Iwasaki: "Life cycle and habitat shift of the trochid snail Diloma suavis(Phillipi) within intertidal mussel zones"Journal of Molluscan Studies. 65. 507-518 (1999)

  • [文献書誌] S.Ishida&K.Ieasaki: "Immobilization of muricid whelks by an intertidal mussel,Hormomya mutabilis(Gould)"Venus(Japanese Journal of Malacology). 58. 55-59 (1999)

  • [文献書誌] K.Iwasaki: "Lentic water scorpions,Laccotrephes japonensis,at river margins : their distribution and life cycle in the Yamatogawa River Water System,Nara,Japan"Japanese Journal of Limnology. 60. 559-568 (1999)

  • [文献書誌] 岩崎敬二: "貝のパラダイス/磯の貝たちの行動と生態"東海大学出版会. 302 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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