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1997 年度 実績報告書

らん藻cotA遺伝子のプロトン輸送における役割

研究課題

研究課題/領域番号 09640767
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

小川 晃男  名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (80087593)

キーワードらん藻 / Synechocystis / Synechococcus / プロトン輸送 / cotA-pxcA / 変異株 / CO_2取り込み / NO_3^-取り込み
研究概要

SynechocystisPCC6803のcotAをプローブとしてSynechococcusPCC7942cotAを単離した。両らん藻株についてcotA欠損変異株を作製し解析した結果、光照射下におけるプロトン放出能を欠いていた。これらの結果からcotAがプロトン交換に直接関わっていることが明らかとなり、従って遺伝子名をpxcA(ProtoneXChange)と改名した。pxcAの一部を大腸菌内で発現させて得られた蛋白に対して作製した抗体を用いたウエスタン解析によって遺伝子産物が細胞質膜に存在することを証明した。一方、両株のpxcAのキメラ遺伝子を作製し、SynechocystisPCC6803のpxcA^-変異株に導入したところ、C端領域を取り替えた遺伝子は完全に変異株を相補したが、N端領域がSynechococcusPCC7942遺伝子である場合は弱い相補力を示した。PxcAはATP結合部位をもたないことから、2つの可能性が考えられる。1)PxcAはATP結合部位をもつプロトン輸送体と複合体を形成している。この可能性を明らかにするためにプロトン輸送体様遺伝子を不活性化した変異株を作製しつつある。2)PxcAはプロトン輸送体であるが、ATPによって駆動される他のイオンの輸送と共役しで駆動される。pxcA欠損がCO_2,HC0_3^-およびNO_3^-取り込みに及ぼす影響について総合的な解析を行った結果、酸性領域または低Na^+下ではCO_2およびNO_3^-の取り込みを大きく阻害した。PxcA依存性のプロトン交換は物質輸送の際の細胞内pHや電荷の恒常性を保つ上で重要な働きをしていると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Sonoda,M.: "Size of cotA and identification of the gene product in Synechocystis sp.strain PCC6803." Journal of Bacteriology. 179. 3845-3850 (1997)

  • [文献書誌] Sonoda,M.: "Cloning of cotA gene of Synechococcus PCC7942 and complementation of a cotA-less mutant of Synechocystis PCC6803 with chimeric genes of the two strains." Photosynthetic Research. 54. 99-105 (1997)

  • [文献書誌] Ogawa,T.: "Molecular mechanisms of CO_2 concentration and proton extrusion in cyanobacteria" Stress Responses of Photosynthetic Organisms(eds.K.Satoh & N.Murata)Elsevier,Amsterdam. 181-196 (1998)

  • [文献書誌] Ohkawa,H.: "The Use of mutants in the analysis of the CCM in cyanobacteria" Canadian Journal of Botany. (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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