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1997 年度 実績報告書

高等植物幼茎の水およびイオンストレス応答におけるABAと膜機能

研究課題

研究課題/領域番号 09640769
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

加藤 潔  名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (00109258)

研究分担者 高橋 宏二  名古屋大学, 情報文化学部, 助手 (40283379)
キーワード水ストレス / プロトンポンプ / 生長回復 / IAA / cycloheximide / breferdin A / ミトリササゲ
研究概要

植物幼茎は水ストレスにより阻害された生長の適応回復を図るが、この過程はオーキシンに強く依存し、木部プロトンポンプの活性化と密接な相関を示す。木部プロトンポンプの活性化に、ストレスにより根において生産され地上部へと伝達されるABAの、シグナルとしての関与をまず疑った。導管灌流法によりミトリササゲ黄化胚軸切片に浸透ストレスに代えて100〜0.1μMのABAを灌流すると、期待通り著しいポンプの活性化と生長促進とが起こり、ABAが水ストレスの信号伝達に関与することはほぼ間違いないと思われた。しかし、dose responseをとっている間に、ABAの効果にばらつきが出始め、反応が全体として鈍化してきた。ABA、灌流液のpH、イオン組成および浸透圧、切断後の胚軸のagingの程度などを検討したが、ABA反応の鈍化は収まらず、材料をヤエナリの黄化胚軸に変えてみても基本的に事情は変わらなかった。結局、ABA効果の劣化原因は掴めず、ABAが胚軸において水ストレスのシグナル伝達に関与するとの証拠は得られなかった。この解析の過程でIAAによる胚軸の木部、表面両プロトンポンプの活性化と生長の促進がタンパク合成とその輸送系の阻害剤に敏感であることに気づいた。具体的には、cycloheximide(CHI)とbreferdin A(BFA)がポンプ機能および生長促進に影響する。そこで、IAAで活性化された胚軸切片にCHIとBFAを作用させ、ポンプ活性、生長への効果調べた。IAAにより過分極した木部膜、表面膜はともにCHIとBFAにより脱分極し、これに追随して生長も阻害された。この時点で水ストレスを加えると生長の適応回復反応はみられなくなった。IAAによって誘導される生長にも、水ストレスにたいする生長の適応回復にも、恒常的なタンパク質の合成とゴルジ系を介する細胞内輸送の関与が推定できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takahashi,K.: "Mastropan induces an increase in cytosolic calcium ion concentration and subsefuent activation of protein kiuase in tabacco suspension culture cells" Biochimica et Biophysica Acta. (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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