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1997 年度 実績報告書

植物形態の環境刺激応答におけるホメオドメイン蛋白質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 09640770
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

青山 卓史  京都大学, 化学研究所, 助教授 (80202498)

研究分担者 岡 穆宏  京都大学, 化学研究所, 教授 (10093212)
キーワードATHB-1 / ATHB-2 / シロイヌナズナ / 形質転換植物 / グルココルチコイド / 標的遺伝子 / 転写因子 / 誘導系
研究概要

シロイヌナズナのATHB-1およびATHB-2はHD-Zip遺伝子ファミリーに属するホメオボックス遺伝子である。ATHB-1は葉の形態形成過程に係わっていること、またATHB-2は胚軸の伸長や植物個体全体の成長速度に関与し、近赤外光により転写レベルで制御を受けていることが明らかになっている。さらにシロイヌナズナの他のHD-Zip遺伝子であるATHB-7が環境応答に係わる植物ホルモンであるABAに応答して発現制御を受けていることが報告された。このようなことから、ATHB蛋白質群は植物の環境応答と形態形成の間を橋渡しする役割を担う転写因子ではないかと考えられる。
本研究ではATHB-1およびATHB-2の改変遺伝子、HDZip1-VP16-GRおよびHDZip2-VP16-GRを作成しシロイヌナズナに導入した。HDZip1-VP16-GRを有する形質転換体では、子葉および葉の短軸方向における伸長阻害、暗所における子葉および葉の展開など、葉の形態形成に関する変化がグルココルチコイドの添加により誘導された。
HDZip-2-VP16-GRを有する形質転換体では、明所、暗所ともに胚軸および葉柄の伸長阻害および水平方向への肥大成長が誘導的に観察された。これに対してATHB-2そのものを過剰発現する形質転換体では、逆に胚軸および葉柄の過度の伸長が観察された。このことからATHB-2自体は負の転写制御因子として働いているのではないかと推測される。ATHB-2を過剰発現する形質転換体では、葉柄の角度が高くなるなど、野性株を白色光+近赤外光の条件下で生育させたときに見られる形態も観察された。このことからATHB-2はシロイヌナズナのshade avoidance反応における形態の制御に関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nevalainen et al.: "Characterization of Novel Calmodulin-Binding Peptides with Distinct Inhibitory Effects on Calmodulin-Dependent Enzymes." Biochem.J.321. 107-115 (1997)

  • [文献書誌] Aoyama et al.: "A glucocorticoid-mediated transcriptional induction system in transgenic plants." Plant J.11. 605-612 (1997)

  • [文献書誌] 岡 穆宏 ら: "プロテインホスファターゼと植物細胞内シグナル伝達" 蛋白質核酸酵素. 42. 736-743 (1997)

  • [文献書誌] NcNellis et al.: "Glucocorticoid-inducible expression of a bacterial avirulence gene in transgenic Arabidopsis induces hypersensitive cell death." Plant J.(in press).

  • [文献書誌] Reynolds et al.: "Inducible Gene Expression in Plants" CAB International(Wallingford)(in press),

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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