1.SH-EPのN末端プロセシング:VmPE-1の精製、cDNAクローニング及びその発現 システイン・エンドペプチダーゼSH-EPのプロセシング酵素(VmPE-1)を吸水3日目のケツルアズキ子葉より精製した。VmPE-1はアスパラギン残基のC末端側を特異的に切断するアスパラギニルエンドペプチダーゼであることが示された。ケツルアズキ発芽子葉からcDNAライブラリーを作製し、VmPE-1 cDNAを単離した。その際、VmPE-1と約70%の相同性をもつ別のプロテアーゼ(VmPE-1A)も単離された。VmPE-1 cDNAをプローブとしてケツルアズキの各器官におけるmRNA発現の様式を調べた。 2.SH-EPのC末端プロセシング:C末端KDEL配列の機能解析 SH-EPは翻訳後に多段階のプロセシングを受けて成熟酵素になることがこれまでの研究により分かっているが、このプロセシングの過程で、KDEL配列を含む10アミノ酸からなるC末端プロペプチドが切除されることが示された。KDEL配列を特異的に認識する抗体を用いた解析およびショ糖密度勾配遠心法により、KDEL配列を含むC末端プロペプチドは小胞体内で切除され、その結果、SH-EPが小胞体から液胞へと輸送され始めることが示唆された。これらの結果より、SH-EPのC末端KDEL配列はSH-EPを小胞体内腔に一時的中間体として保持する機能を持つことが推定された。
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