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1998 年度 実績報告書

植物芽生えの光形態形成過程における浸透調節の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09640778
研究機関大阪市立大学

研究代表者

神阪 盛一郎  大阪市立大学, 理学部, 教授 (60047214)

キーワードトウモロコシ / 幼葉鞘 / 第一葉 / 成長 / 浸透ポテンシャル / インベルターゼ / 白色光 / 成長抑制
研究概要

植物の茎細胞の伸長成長速度は、細胞壁の伸展性と細胞の浸透ポテンシャルによって主として規定されている。白色光は、細胞壁の伸展性を低下させることによって茎細胞の成長を抑制することは多くの実験的証拠によって確かめられている。一方、白色光が細胞の浸透ポテンシャルを上昇させることによって茎細胞の成長を抑制する可能性があることが報告されている(Parvez et al.1996)。本研究では、光による浸透調節の仕組みを植物芽生えの成長と関連づけて解析を行った。
白色光はトウモロコシの幼葉鞘の伸長成長を強く阻害したが、第一葉のそれは促進した。幼葉鞘の浸透ポテンシャルは白色光照射で上昇したが、第一葉では顕著に低下した。浸透ポテンシャルの変化と幼葉鞘および第一葉の成長速度の変化との間には高い相関が認められた。幼葉鞘および第一葉各部域の総浸透物質量は各部域の可溶性糖量と相関していた。白色光照射は、幼葉鞘細胞壁に結合している酸性インベルターゼ活性を低下させた。一方、第一葉のインベルターゼ活性は光によって著しく上昇した。インベルターゼの活性は幼葉鞘および第一葉における可溶性糖量と高い相関があった。これらの実験結果から、白色光はインベルターゼ活性を調節することによって、発芽直後のトウモロコシ芽生えにおける糖の分配を調節し、それによって浸透調節を行って幼葉鞘および第一葉の成長を調節していることが示唆された。現在、トウモロコシインベルターゼ遺伝子のクローニングをおこない、その遺伝子発現の時空間的発現に対する白色光の影響を解析しつつある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Parvez,M.M.et al.: "White light promotes the formation of diferulic acid in maize coleoptile cell walls by enhancing PAL activity" Physiologia Plantarum. 99・1. 39-48 (1997)

  • [文献書誌] Parvez,M.M.et al.: "White light-induced sugar distribution controls growth and osmotic properties in the coleoptile and the first leaf in Zea mays seedlings" Physiologia Plantarum. 102・1. 1-8 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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