研究概要 |
1.カサノリC1^-輸送性ATPaseについて (1)a(54kDa)及びb(50kDa)サブユニットの遺伝子クローニング:aサブユニットについては,全長2,763bp・ORF,61-1,569bp・502アミノ酸をコードするクローンを得た。ホーレンソウのクロロプラストF1-ATPase,αサブユニットに約77%の相同性を示した。bサブユニットについて,全長2,538bp・ORF,45-1,482bp・478アミノ酸をコードするクローンを得た。N末端から約120アミノ酸は,クロロプラストF1-ATPase,βサブユニットに対し,約70%と相同性は低く,120アミノ酸以降の一次構造は約92%の相同性を示すものであった。 (2)bサブユニットの大腸菌F1-ATPase,β欠損株への発現:bサブユニットを発現させた場合,suc(-)即ち酸化的リン酸化能の回復はみられなかった。大腸菌F1-ATPase,βサブユニットとのキメラ蛋白質の発現により,C1-ATPase,bサブユニットの96-161アミノ酸部分が決定的に機能回復を阻害する配列を持つことを明らかにした。この領域はいわゆるATP binding motifを持つ領域である。 2.カサノリH^+-PPase及びV-ATPase,proteolipid subunitについて 酵母発現ベクターであるpYES2及びpKTにAcVP(H^+-PPase gene)並びにAACEVAPD1-6(V-ATPase,proteolipid genes)を連結した発現プラスミドを作成した。今後,酵母への発現(AcVP)及び酵母V-ATPase,proteoliped欠損株への発現を試みていく。
|