研究概要 |
ダイコン及びタマネギの根端分裂組織における核小体のヌクレオロネマの高次構造を超薄連続切片法および電顕レベルの組織化学的手法で調べた。これらの組織では,ヌクレオロネマは輪郭の入り組んだ径約1umの紐状をしており,核小体内に強くパッキングされていることが分かった。この径は基本的に核小体の大きさとは関係なく,その長さが核小体の大きさに関係していることが分かった。したがって,細胞が次第に分化し,核小体も小さくなってゆくにしたがって,ヌクレオロネマの長さが短くなり,結果として核小体が小さくなることが明らかになった。 ダイコンとタマネギでは,ヌクレオロネマの構築に違いのあることが示唆された。すなわち,ダイコンでは1um厚のヌクレオロネマは約400um厚の紐がコイルあるいは折り畳まれてできていることが示唆されたのにたいし,タマネギではそれを示唆するはっきりした証拠が得られなっかった。しかし,この細いタイプのヌクレオロネマの顕在化と核小体の大きさとの間には,はっきりした関係は認められなかった。 電子顕微鏡レベルのイムノゴールド法RNase-gold法,オスミウムアミン-B法などにより,核小体内のDNAやRNAの局在性を調べたところ,DNAの局在するいわゆる繊維中心(FC)がヌクレオロネマの内部に周期的に会合していることが明らかにされた。
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