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1997 年度 実績報告書

結合組織による収縮

研究課題

研究課題/領域番号 09640804
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

本川 達雄  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80092352)

キーワード棘皮動物 / ウミユリ / 結合組織 / キャッチ結合組織
研究概要

ウミユリの巻枝と腕の靭帯を用い、結合組織性収縮の基本的な性質とその神経支配について調べた。
巻枝にはまったく筋細胞は存在しない。巻枝には体腔が入り込んでいる。体腔上皮にはGABA(γ-アミノ酪酸)の抗体で染まる細胞があり、その細胞は靭帯方向に突起を出しており、その突起にもGABA抗体で染まるものが見られた。靭帯に一定の曲げひずみを与え、応力を測定しながらGABAを与えたところ、急激な応力緩和が見られた。これは靭帯が軟らかくなったことを意味する。少数例ながら、応力が増加する例が見られた。これは靭帯が活動的に力を発生して収縮していることを意味する。同様な力学試験を行いアセチルコリンを与えたところ、すみやかに軟らかくなる反応が見られた。ニコチン様のコリン作動薬でも同様であったが、ムスカリン様のコリン作動薬の場合、高濃度では軟らかくなる反応が見られたのだが、低濃度では収縮が見られた。
ウミユリの腕には、関節をはさんで口側には筋肉と靭帯が、反口側には靭帯が存在する。反口側の靭帯のみ切り出し、硬さと収縮の同時測定を行った。高濃度にカリウムイオンを含む人工海水やアセチルコリンの刺激により、靭帯の収縮が見られ、また、収縮と同時に硬さの減少が見られることが多かった。ただし、硬さの変化を伴わない収縮や、かえって硬くなって収縮する例も見られた。アドレナリンは靭帯を軟らかくし、カリウムやアセチルコリンによる収縮を抑制した。これらの事実から、反口側結合組織による収縮は、口側の筋肉によって引き伸ばされたバネのひずみをキャッチ結合組織を軟らかくすることによって起こるものではないし、また筋肉による収縮なら収縮中に軟らかくなることはないので、それらの機構とはまったく違う、結合組織による活動的な力の発生をともなう収縮であろうと結論できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Birenheide,R., Motokawa T., Tamori.M.et al: "Neuropeptides controlling stiffness of connective tissue in sea cacumbers" Bilogical Bulletin. 194(3). (1998)

  • [文献書誌] Birenheide,R, & Motokawa,T.: "Morphology of skeletal cortex in the arms of crinoids (Echinodermata : Crinoidea)" Zoological Science. 14(5). 753-761 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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