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1997 年度 実績報告書

ショウジョウバエ概日時計入出力系を中心としたコリン作動性神経系の機能解剖

研究課題

研究課題/領域番号 09640816
研究種目

基盤研究(C)

研究機関川崎医科大学

研究代表者

泰山 浩司  川崎医科大学, 医学部, 助手 (60148690)

研究分担者 富岡 憲治  山口大学, 理学部, 教授 (30136163)
キーワードキイロショウジョウバエ / コリン作動性ニューロン / 概日活動リズム / コリンアセチル基転移酵素 / cDNA形質転換体
研究概要

概日時計の同調系や出力系へのコリン作動性ニューロンの関与を調べる目的で,キイロショウジョウバエ野生型と,特定のコリン作動性ニューロン群でアセチルコリン合成能が低下あるいは消失したコリンアセチル基転移酵素(ChAT)cDNA形質転換体を用いて,コリン性神経系の免疫組織学的な比較解析と概日活動リズムの比較解析を行い,次の結果を得た.
1.複眼網膜の基底膜下に位置し,概日時計の明暗サイクルへの同調に関与すると考えられている網膜外光受容器にChAT抗体陽性染色がみられ,これから発するChAT陽性繊維は附属視髄に投射する.2.附属視髄に位置し概日時計と考えられているper/PDHニューロン群に,抗-ニコチン性アセチルコリン受容体(ligand bind-ing α-like subunit(ALS))抗体による陽性染色がみられる.3.これらの観察結果から,網膜外光受容器はコリン作動性ニューロンから構成されており,per/PDHニューロン群にシナプスしている可能性が考えられ,コリン作動性ニューロンの概日時計同調系への関与が示唆される.4.ChATcDNA形質転換体のうち,1.2kb形質転換体-line2では,野生型に比べて暗期にも活動が高頻度で起こり双峰性が不明瞭になるが,1.2kb-line6では明期の活動が増加し野生型よりさらに明瞭な双峰性活動を示す.恒暗条件下では,line2では活動リズムが極めて不明瞭となる一方,line6では極めて明瞭なリズムが継続する.5.活動リズムに異常が見られる1.2kb-line2とline6においても,網膜外光受容器のChAT抗体陽性とper/PDHニューロンのALS抗体陽性が認められる.6.このことから,形質転換体の概日活動リズムの異常は,概日時計同調系ではなく,出力系に関与するコリン作動性ニューロンにおけるアセチルコリン合成能の低下が影響している可能性が考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tomioka, K.et al: "Light cycles given during development affect freerunning period of circadian locomotor rhythm of period mutant in Drosophila melanogaster." J.Insect Physiol.43. 297-305 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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